ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内

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ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内

  • 著者名:川森博司【著】
  • 価格 ¥2,310(本体¥2,100)
  • 淡交社(2024/04発売)
  • ポイント 21pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784473045713

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内容説明

「ひと」と「ひと以外(動物・異人・他界の者)」が婚姻を結ぶ説話「異類婚姻譚」は、鶴女房や一寸法師などの昔話としても親しまれてきました。現在では、アニメ、小説などのテーマとしても人気のあるジャンルですが、入門書や体系化された書籍はありません。そこで本書では、日本や海外では異類婚姻譚にどのような話があり、どういった特徴があるのかを紹介しながら、知っているようで知らない「異類婚姻」の世界をのぞいてみます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

80
民話研究本。多くの事例をあげ検証している▽異類婚姻譚を3つの大分類のもとに整理する①動物女房・動物聟(むこ)②異界女房・異界聟③異形の女房・異形の聟▽[1章.動物との婚姻]鶴女房、猿聟など[2章.異界(異郷)の者との婚姻]浦島太郎、天人女房など[3章.異形の者との婚姻]雪女、姥皮、鉢かずき、美女と野獣[4章.異類婚姻からみる人間社会]出会いと別れ「もとに戻る」という構造、別れの美学、ルッキズムと「変身」▽『崖の上のポニョ』や『金魚姫』を事例としているの好き。モフ系やケモナーなど現代でも人気ジャンルだよね2024/02/29

NAO

62
人間以外の何ものかが嫁となる場合、日本の話では正体を知られた嫁は人間界を去っていく。夫に贈り物を残すこともあるが、ハッピーエンドとはならない。韓国や中国だと、正体がばれても2人の愛情は変わらず幸せに暮らすという話になるそうで、個人的には、日本は島国で閉鎖的であるためよそ者は一時的には受け入れても最終的には排除するということなのだろうか、と思ったりする。人間以外の何ものかが婿になった場合はもっと残酷で、婿は策略にかけられて死んでしまい女性は何ごともなかったかのように家に戻る。必要な労働力が人間以外だったら⇒2024/06/04

shikashika555

43
洋の東西を問わず異類婚姻譚というジャンルがあり、語り継がれ読み継がれているのはとても不思議だ。 異類とは、なんのメタファーなんだろう。 ただ「自分たちの共同体のソトの存在」だったのだろうか。 それとも身体に何らかの障害を負ってしまった人なのか。 それとも過去と同じ考え方や行動では対処しきれない状況に対する思考の変換ツールだったのか。 ただ現実の世界からの一時的避難や感情の慰撫という、物語ならではのひとつの形に過ぎないのかもしれない。 ソトの世界やソトの人に対する警戒と希望、両方を孕んでいる。2024/04/16

tom

19
読友さんのコメントで知った本。著者は、日本、アイヌ、韓国、中国、ヨーロッパの異類婚姻譚を比較検討し、日本の異類婚姻譚に多い「排除の構造」は独特のものと指摘する。日本では、「排除の構造」により、自分たちの生活の中に入り込んだ異物は、あっさりと殺し、その後は、何事もなかったようにして暮らす。背景にあるのは男の狡さと情けなさ。男 は、禁令を破り、女が出ていくことになっても、ボーとしているだけ。女の悲惨なんか考えもしない。この閉塞状況を抜け出すための新しいファンタジーが産まれないのかと著者は語る(と私は読んだ)。2025/06/15

魚京童!

19
大変おしい。もうすこし私的な見方がほしかった。ただの事例紹介としては面白いが、新しい見方がなかった。この人らしい見方を抑えていたのかもしれないが、そこが知りたかった。異類婚姻に対しての意見が聞きたい。事例なんてどうでもいい。2024/11/04

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