文春文庫<br> 星落ちて、なお

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文春文庫
星落ちて、なお

  • 著者名:澤田瞳子【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 文藝春秋(2024/04発売)
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  • ISBN:9784167921958

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内容説明

女絵師の一生を描ききった直木賞受賞作!

不世出の絵師・河鍋暁斎の娘とよは、暁翠の画号をもつ女絵師。
父亡き後、仲がよいとは言えぬ腹違いの兄・周三郎(暁雲)と共に、
洋画旋風の中、狩野派由来の父の画風を守ろうとする。
明治大正の激動の時代、家庭の生活を担いつつ、
絵師として母として、愚直に己の生を全うした女の一代記。
第165回直木賞受賞作。

解説=東山彰良

※この電子書籍は2021年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

81
澤田瞳子? 初読み作家です。これが直木賞作と言うので読んでみたくなり図書館よりお借りした。江戸末期から明治にかけて活動した絵師・河鍋暁斎とその娘とよを描いた物語。「画鬼」と自称する暁斎は、仕事には厳格で「絵の上手下手で弟子を判断する」する師匠であった。当然、娘でも甘やかずに、何百人もの弟子と競わせた。まさに肉親の愛憎を遠慮容赦なく書いた力作です。そして、絵師の娘として生きるとよの生きざまと併行して描かれる、兄弟姉妹の「愛」に強く胸を打たれた。なお、とよの本心は「私が男に生まれていれば「絵」にもっと…。2025/02/12

クプクプ

80
河鍋暁斎の長女の河鍋暁翠(とよ)の話。私の知識で、わかるか、わからないかギリギリのレベルの読書で、スリルを味わって読みました。ニコライ堂や湯島、神田明神と、ところどころ理解できる描写もあり、今度、物語の舞台を再訪したい気分になりました。明治から大正にかけてを、リズムよく凝縮して描かれており、澤田瞳子さんの作品の中で一番の出来だと思いました。直木賞も納得です。今回、この作品を最後まで読み終えて自信をつけたので、これからも澤田瞳子さんの作品を読んでいきたいという決意を持ちました。2024/10/05

NAO

64
浮世絵師河鍋暁斎の娘で、浮世絵師で狩野派の絵師だった河鍋暁翠(とよ)の生涯を描いた作品。父によって幼い頃から手ほどきを受け絵師になるよう運命づけられてしまったとよと兄周三郎。父の葬儀後とよの弟弟子が「姐さん、星が流れたよ」という場面に象徴されるようにとよにとって憧れであり目標だった父の死後、自分は何をすべきかを考え、いかに自分らしく生きるかを模索していく。父という星は落ちたが、その星の影響下から逃れられないもどかしさ。それでも絵を描き続けずにはいられない思い。絵師という仕事、業の、なんとすさまじいことか。2025/08/04

しげ

56
絵師として偉大な父を師匠に持つ子供達の葛藤と苦悩、宿命や呪縛を考えた時に先日亡くなった長嶋茂雄さんと一茂さん親子がまず浮かびます。一茂さんのプレッシャーは計り知れなかっただろう…と感じます。多様化、個人が尊重される時代になって久しいですがスパッと思考、発想を変えて活躍する一茂さん、本編の感想とは別にその逞しさに思い至る読書でした。2025/06/21

どぶねずみ

43
河鍋暁斎の娘、河鍋暁翠の話。河鍋暁斎の展示には何度か足を運び、河鍋暁斎記念美術館にも行ったことがあるので、以前から非常に興味深かった。『眩』と比較してしまうが、有名な絵師の娘はどこか共通する生き方をしているように思えた。親が人気の絵師や職人なら、それを継ぐというのは、自分の選択肢が狭まれる呪縛のように感じる。親が偉大であることに羨ましさを感じる一方で可哀想にも思う。親が亡くなったあとですら、心がずっと縛られて生きていく悲しい話だと思ったが、それでも暁翠を慕ってくれる者がいたのは救われたかもしれない。2025/01/14

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