内容説明
牙を く“手負い”の大銀行、徹底抗戦を挑む元行員。ー著者渾身の実録小説!
脳梗塞患者への過剰融資で訴えられた大手都銀・大淀銀行は、米国在住の元行員・右近祐介に濡れ衣を着せようとする。裁判での偽証、広報部による恫喝、開き直りなど、なりふり構わぬ銀行に対し、右近は東京地裁の証言台に立つことを決意。週刊誌の女突撃記者も参戦し、法廷内外で一大バトルが勃発する。――著者自らの体験をもとに描く、大銀行の歪んだ内幕と、司法の“救いようのなさ”。
【著者】
黒木亮
1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院(中東研究科)修士。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資をめぐる攻防を描いた『トップ・レフト』で作家デビュー。主な作品に『巨大投資銀行』『メイク・バンカブル!』『地球行商人』など。早稲田大学時代は箱根駅伝に2度出場し、『冬の喝采』で自身の競技生活を描いた。1988年から英国ロンドン在住。
目次
プロローグ、第1章 怒りの陳述書、第2章 元頭取への直訴、第3章 気の弱い後任者、第4章 女突撃記者、第5章 場外乱闘、第6章 裏書き
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koji Eguchi
16
残念ながら私が見たこともない額のお金が蠢き、関わる人を闇の世界にいざなう。大手銀行のノルマ達成のための犯罪まがいの貸付や預金とり。出世のための保身と身内のライバルの蹴落とし。凄まじいの言葉でも片付けきれないくらい。脳梗塞患者にローンを貸付け、定期預金させる、えげつないやり口。辞めた人間に罪をなすりつける。黒を白と言い換える詭弁と徹底的な嘘。自分に都合の悪い相手への恫喝。何て恐ろしい世界だ。なかなか個人が相手にできるものではない。だから頑張れ、右近と佐伯弁護士。期待と応援の中、下巻へ!2014/04/18
Kobakampan
3
法律と金融というテーマで一見難しそうだけど、とてもわかりやすく書かれていて面白かった。2015/09/18
Ryo
2
司法ってこんなんなんかな。。。2014/01/27
小説を最初に書いた人にありがとう
2
黒木亮さんて気になって初読み。 面白かった。ドライな話かと思ったら意外に人間を書いていて読みごたえあり2012/08/09
Hideki Ando
2
著者の実体験を元に書かれた作品。バブル期の銀行がどれだけ無茶なことをしてきたかがよくわかる。主人公が証人として出廷するまでが上巻。これから銀行がどのような手段に出てくるのか、下巻が楽しみである。2012/02/19