内容説明
倭政権の中枢で勢力を拡大し、仏教の受容をめぐって蘇我氏と対立した氏族として知られる物部(もののべ)氏。その祖先伝承からウヂ名・カバネの成立、軍事・警察や祭祀など職掌の実態、全国に広がる同族、『日本書紀』の「崇仏論争」記事の信憑性、蘇我氏との勢力争いから敗北・衰退までをわかりやすく解説。通説を見直し謎に包まれた物部氏の実像を解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パパ
2
継体朝から大和王権に臣従した連(マエツキミ)の一族が物部氏である。琵琶湖淀川水系を支配していたことから安曇族との関係を類推する。同じく同時期から勢力を伸ばした大伴氏は、住吉大社を本拠とする記述から宗像氏との関連を思い浮かべる。本書自身は物部氏の年代記をまとめたものだが、古代の政治勢力のあり方を想像させる。2023/03/25
Oltmk
1
篠川賢氏による物部氏の盛衰と没落を一まとめにした専門書ではあるのだが、記紀の記述というものが研究者ごとのスタンスによって解釈も異なってしまうというのを深く痛感したし、如何に古代日本史が難しいのかを理解させられた。他にも、推古帝などの女性天皇の事を中継ぎの天皇と表現したり老域に入った研究者の認識もどうよと足を踏み込む事も出来るので、本当に古代史の奥深さと難しさが理解できました。2022/08/20
NyanNyanShinji
0
古代氏族としてモノ造りや警察権を主とした武力・祭祀とさまざまな職掌を束ねた物部氏。彼らのヤマト王権への参加は、本拠ナニワの地から大伴氏と共にヲホド王(継体天皇)を担ぎ出した事から始まった。その後ら大伴氏失脚と前後して蘇我氏が台頭し、その蘇我氏に敗れたが、天武天皇期に石上氏として政権に復帰した。氏族としての彼らの歴史を日本書紀や古事記の記述から虚飾を出来るだけ取り除き、分かりやすかった。ただ氏族としての物部氏なのか職掌集団としての物部なのかが少し分かりづらかった。また再読してみたい。2022/08/25
-
- 電子書籍
- 初恋の人との晴れの日に令嬢は裏切りを知…
-
- 電子書籍
- 絶対に誘惑されない男vs絶対に誘惑する…
-
- 電子書籍
- 無自覚な天才魔導具師はのんびり暮らした…
-
- 電子書籍
- 恋とワインと伯爵と〈プレイボーイがお相…