幻冬舎文庫<br> 往復書簡 限界から始まる

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幻冬舎文庫
往復書簡 限界から始まる

  • ISBN:9784344433724

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内容説明

「上野さんはなぜ、男に絶望せずにいられるのですか?」「しょせん男なんてと言う気はありません」。女の新しい道を作った稀代のフェミニストと、その道で女の自由を満喫した気鋭の作家。「女の身体は資本か、負債か」「娘を幸せにするのは知的な母か、愚かな母か」――。自らの迷いを赤裸々に明かしながら人生に新たな視点と光をもたらす書簡集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

42
故人ではあるが涼美氏の母上も重要な登場人物でなので、2人の関係性は母娘というよりも叔母と姪ほどの距離感か。親密かつ刺激的で面白かった。私も女という当事者で、もちろんこれまでにモヤモヤすることもあったのに、何気なく思考を回避してきたことに気付き反省。2024/06/20

Kanonlicht

38
東大名誉教授にして女性学の第一人者の上野千鶴子と、数々の夜職と日経記者を経験した作家鈴木涼美によるコロナ禍の1年にわたる往復書簡。エロス資本から男女格差、結婚観、フェミニズムなどさまざまなテーマで「女性性」について意見を交換している。男に期待しないという諦観が余計に男のわがままを増長させたり、性被害を防ごうと啓蒙することが実際に被害にあった女性を傷つけたり、反論が即レスされる現代では特に何かを主張することは当事者でも難しい。男性にとっても必読の書。2025/02/15

空のかなた

23
はっとさせられた一冊。「男とは何か」を論じたと後書きにある。「売る女は興味本位で扱われるのに、買う男は問題になることのない非対称」。鈴木涼美さんに上野千鶴子さんがかけた言葉は「ご自身の傷に向き合いなさい。痛いものは痛い、とおっしゃい。人の尊厳はそこから始まります、自分をごまかさないこと、その自分の経験や感覚を信じ尊重出来ない人間が、他人の経験や感覚を信じ尊重できるわけがないのです」、また結婚の動機が家族形成なら「出来ちゃった結婚」は理にかないますとも。若者が結婚しないのは家族形成のコストが根幹に。2024/11/30

いちろく

22
社会学者である上野千鶴子氏と、新聞記者の経歴の一方で風俗関係の過去も公言しており現在は作家などの活動をされている鈴木涼美氏の往復書簡で構成される一冊。全編を通じて生と性を意識させる内容でもあり、二人の考えをできる限り客観的に眺めていた感覚だった。一往復ごとに期間をあけたので読了まで時間がかかったのも事実。余談であるが、鈴木氏は本書の時とは状況が異なり、今年ご結婚されて出産も経験されている。今後の純文学の小説やエッセイをはじめとする文体や思想に変化があるのか? この本を読み終えた一人として興味がある。2024/12/15

JILLmama

16
上野さんを知らなかったのですが、いきなりファンになっちゃった。とにかくスカッとした。涼美さんは同い年。男性に諦めてるとか、母親とのこととか、理解できる部分が多くて一気に読んでしまった。2024/06/19

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