内容説明
劇場支配人兼名探偵・ウィリアム近松太郎、登場!
サブカルチャーの聖地・下北沢で起こる怪事件に、
東西の2大劇作家の名を持つ謎のイケメンが挑む!
進学のため上京した竹本光汰朗は、亡き祖父が作り、今は祖母が経営する
下北沢センナリ劇場でアルバイトとして働き始める。
演劇人やミュージシャンたちが夢を追いかける街で起こる
「甦る死者」や「人間消失」など様々か怪事件を、
劇場支配人・ウィリアム近松太郎とワトソン役の光汰朗が快刀乱麻解決!
ACT1 神様のたまご
シャーロック・ホームズや金田一耕助が出るパロディ芝居の初日に、
小道具の宝石が盗まれた!?
コナン・ドイル「青いガーネット」のパスティーシュ。
ACT2 死と乙女
芝居小屋を狙った連続空き巣事件が発生。
一人で留守番していた光汰朗の前に謎の黒い人影が!
ACT3 シルヤキミ
島崎藤村の詩「知るや君」に曲をつけたロックナンバーを歌う
女性ボーカルの正体は?
ACT4 マクロプスの旅
下北沢の街が靄に包まれる”シモキタの白い夜”に、
死んだはずの暗黒舞踏のカリスマが出現!?
ACT5 藤十郎の鯉
劇団藤十郎一座が上演した歌舞伎の演目「鯉つかみ」の舞台から
役者が消えそのまま失踪した。
横溝正史「幽霊座」のパスティーシュ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のんちゃん
26
進学で上京した光汰朗は祖母の経営する下北沢センナリ劇場でアルバイトを始める。そして光汰朗はそこの劇場支配人、ウィリアム近松太郎と、劇場や下北沢の街で起きる様々な事件を解決していくという物語。どの事件も有名推理小説やクラシック曲、詩、海外小説、歌舞伎等に関連性のあるもので、その元を知れるのも楽しい。センナリ劇場とは実在のザ・スズナリのオマージュだろう。センナリ劇場の構造が文面だけでは分かり辛かったので、構造図の記載があればよかったなぁと思う。下北沢は若い頃よく遊びに行った街。今はちょっと綺麗になりすぎた。2025/07/06
mayu
18
初読み作家さん。下北沢にある古いアパートを改造した小劇場センナリ劇場が舞台。劇場で起こるさまざまな謎を支配人と下北沢に越してきたばかりの劇場を作った祖父の孫とで解決する連作短編ミステリー。劇中で使う小道具の指輪が紛失する事件は指輪の行方では無く宝石の謎解きが始まり、指輪の行方に、え。こんな理由アリなの。となってしまったけれど、読み進めていく程にミステリー色を強く感じられた。近松さん結構簡単に事件解決するし、なんで2013年の下北が舞台なのかが疑問に残ったなぁ。2024/04/13
うみ
15
昔々、あるドラマを見ていて憧れの地だった下北沢。1度だけ旅立った下北沢。かの地を舞台にした連作ミステリ。飛び付かないわけがない。ふだん日常の謎系はあまり読まないけれど、うん、面白かった。劇場でおこるさまざまな事件。芸事通の稲羽先生ならでは!2024/04/17
takaC
13
これは続編の期待大でしょう。2024/07/04
ベローチェのひととき
12
妻から廻ってきた本。5編からなる連作短編集。主人公は進学のために上京した竹本光汰朗。祖母が経営する下北沢センナリ劇場で働き始める。劇場支配人のウィリアム近松太郎の助手となり、劇場近辺で起こる怪事件を解決していく。人が舞台から忽然と消えたり、幽霊騒動が起こったりと楽しませてくれました。2025/07/27