内容説明
満開の桜も素晴らしいけれど、散り際にも楽しみはある――。
『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』『伝言猫がカフェにいます』の
著者が贈る、かけがえのない人生の物語。
庭にヤマザクラの大きな古木がある〈キャフェ チェリー・ブラッサム〉。
祖母と母から受け継いできた洋館で、緋桜(ひお)は、
季節の和菓子と茶を提供している。
訪れるのは、犬を連れて散歩にくる老人、
長年連れ添う国際結婚の夫婦、
保育園からの帰り道に通りがかった親子、
自分が進むべき道に迷う少女……。
桜の木は、今日もゆったり、行きかう人々を眺めながら、
各々が抱える悩みや秘めた思いに耳を傾け、静かに寄り添う。
四季の移ろいと人々の交流を、優しくゆったりと描く再生の物語。
文庫書き下ろし。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
109
満開のときにばかり目がいきがちだけど、咲き終わったあとも桜はまた巡ってくる次の春に向けて淡々と準備を始める。四季の移ろい、それぞれの季節の桜の木のつぶやきが趣き深い。こんな桜の木があるカフェでひとり静かに過ごしてみたいな😌大野八生さんの絵も優しくて癒やされる。 今までの標野凪さんの作品とはまたひと味違った感じで楽しめました🌸 2024/04/15
mayu
23
標野さんはドードーシリーズが好きで新刊を楽しみにしている作家さん。祖母、母から建物を継いで立派な桜の木が庭にあるキャフェ「チェリー•ブロッサム」を営む緋桜。常連さんや花屋の都子さん達との日々を描いたお話。うーん…視点が桜だったり、人だったり散らばってしまってるのが気になってしまったり、和菓子に季節の花に暦に桜の知識ととにかく色々詰まっていて、物語に入り込むというより沢山の知識にお腹いっぱいとなってしまった。落ち込む事や悩む事もあるけど立ち上がれるよと伝えたいのだろうけど、知識に気を取られてしまったなぁ。2024/04/09
ハル
2
四季折々の桜が見えた気がした! 春だけじゃなくて、春夏秋冬のどの季節にも、桜の魅力があることを知れた!!2024/04/22
どあど
1
一本のヤマザクラのあるキャフェ チェリーブロッサム。人はいろいろだし、失敗や苦悩や喜び、毎日の積み重ねによって成長する。当たり前のことだけど、美しい文章をかみしめながら気付きを得る一冊。2024/04/18