ちくま学芸文庫<br> 改訂増補 バテレン追放令 ――16世紀の日欧対決

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ちくま学芸文庫
改訂増補 バテレン追放令 ――16世紀の日欧対決

  • 著者名:安野眞幸【著者】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 筑摩書房(2024/04発売)
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  • ISBN:9784480512123

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内容説明

天正十五年(1587)、豊臣秀吉は九州平定のため、大軍を率いて出陣。博多に凱旋し、戦勝祝いのさなか、「バテレン追放令」五カ条を発布した。日本でのキリスト教宣教に関する禁令である。キリシタン大名・高山右近を家臣団から排除したことと併せ、イエズス会士たちに強い衝撃を与えた。諸宗派間の平和共存を構想していた秀吉が転回をなすに至った背景には何があったのか。それは日本史上にいかなる反作用をもたらしたか――。イエズス会が支配する教会領長崎で起きた事件と、「バテレン追放令」を記す2つの文書の検証から、日本とヨーロッパの象徴的衝突に迫る。サントリー学芸賞受賞作の改訂増補版。

目次

プロローグ キリスト教と戦国日本の出会い/I 神の平和/教会領長崎における「神の平和」/はじめに/一 事件を伝える史料/1 「長崎旧記類」 2 『イエズス会日本年報』 3 『イエズス会日本年報』の史料批判/二 事件の登場人物/1 都市長崎の頭人 2 ポルトガル人グループと下人 3 イエズス会の勢力/三 事件の発端/1 敵討ちと返討ち 2 「聖堂の平和」と走入り 3 縁切りの場=結縁の場/四 神の平和/1 新たな抗争 2 聖務禁止 3 贖罪 4 誓約 5 西欧と日本/五 教会領長崎の成立/1 コミューンの成立 2 コミューンの拡大 3 コミューンの二元性/むすび/II バテレン追放令/「バテレン追放令」とその影響/一 「バテレン追放令」Aが出るまで/1 「九州御動座」と「バテレン追放令」 2 多忙な外交官・モンティロ 3 モンティロ宛て「三カ条の特許状」 4 高山右近 5 博多でのコエリュと秀吉の会見 6 〈亜周辺〉国家への道/二 「バテレン追放令」/1 写しの翻刻 2 第一条 3 第二条 4 第三条 5 第四条・第五条 6 バテレン追放令に見る秀吉の自己分裂 7 フロイスの「バテレン追放令」観/三 「バテレン追放令」の後世への影響/1 第一条 2 第二条 3 第三条 4 第四条・第五条/むすび/バテレン追放令とキリシタン一揆/一 史料と研究史/1 史料の所在 2 フロイス書簡の史料的性格 3 研究史/二 文書と記録の関係──問題の所在/1 文書の日付と記録の日時 2 「箇条書の宣告文」/三 日付の変更──問題の解決法/1 actumとdatum 2 早朝の演説/四 物語の深層構造/1 サンチャゴの祝日の意味 2 勝利の日に向けて/五 記録の正統性と事実性/秀吉と右近 天正十五年六月十八日付「覚」の分析から/はじめに/一 テキストと研究史/1 テキスト 2 B文書の発見と渡辺世祐の四説 3 江戸時代以来の定説(G説)批判 4 秀吉の変心──F説・H説批判 5 偽文書説の成立と解体/二 文書の対象/1 「箇条書の宣告文」 2 キリシタン党/三 対象との関係/1 統合の論理と排除の論理 2 「天下」の構想/四 文書の分析/1 四法令群への分解 2 β群の分析 3 (6)の首部の分析 4 γ群の分析/五 文書の機能と成立過程/1 文書の作成主体 2 右近への棄教要求 3 文書の二段階成立 4 コエリュとの交渉 5 翌朝の演説/むすび──文書の伝来と名称/補論/長崎開港と神功皇后との奇しき縁/はじめに/一 神功皇后と家船/1 明治国家と神功皇后 2 神功皇后伝承の担い手 3 肥前瀬戸の家船の人々 4 長崎周辺の神功皇后説話 5 時津・浦上周辺 6 長崎湾口周辺 7 茂木村周辺/二 日本国家の成立と神功皇后神話/1 白村江の戦の敗北 2 元寇と倭寇 3 秀吉の神国観/三 長崎の開港/1 南蛮貿易港長崎の開港 2 南蛮貿易と家船の人々 3 長崎の歴史/四 長崎と神功皇后/1 鎖国後長崎における「神代の記憶」構築 2 諏訪神社 3 瓊々杵尊の碑 4 正保四年の緊張と神崎社 5 稚桜神社/むすび/「岬の先端」の歴史と「精霊流し」/一 森崎権現・岬の教会・西屋敷奉行所・長崎県庁/1 岬の先端 2 パワースポット 3 「榎津」「榎の市場」「森崎権現」 4 森崎権現の祭神 5 南蛮貿易港長崎の開港 6 岬の教会/二 天国・パライソまたは極楽・浄土と地獄/1 死後の世界 2 ザビエルの布教への軌道修正 3 トウドノサンタ 4 慈悲の会・ミゼリコルジア 5 慈悲役 6 高槻での布教 7 長崎のミゼリコルジアの教会 8 地獄からの訪問者 9 長崎の精霊流し/エピローグ/文庫版あとがき/初出一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

浅香山三郎

8
この著者の『下人論』や『港市論』を昔読んだ記憶があつた。全く内容は忘れてしまつたが、余り日本中世史の主流の論文のスタイルではないといふ印象は、本書にも感じた。良くも悪くも我が道を行くスタイルである。良いところは、日本中世史が、発展段階論やアジア的生産様式論の延長で各論を組み立てたのに対し、著者はそれらから自由だといふことである。書かれた時期がさういふ時代ではなかつたからだとも言へるが、史料をその書き手であるイエズス会の論理から再検討するなど、その分類手法の成否はともかく、世界史との親和性が高い仕事である。2025/01/09

冬至楼均

1
旧版と比較しながら読了。旧版の表題部分が書きおろし差し替えとなっている点に研究の進歩が感じられる。全体の論旨は変わっていないと思う。2024/02/04

Fumoh

1
かつて秀吉が出したバテレン追放令について考察している。長崎に居ついたポルトガル人およびイエズス会宣教師。秀吉がなぜバテレンを追放したのかは、いくつもの理由が考えられるが、決め手となったことはいまいち定かではない。宗教観、文化、経済、軍事的側面から紐解いていくという論考だが、著者の論はストレートにまとまっておらず、かなり分かりにくい。また文献をいかように読むかといった、文献分析に関する話がかなり長く、その歴史文化的評価の方まで話が回らない。結局なにを言いたかったのか、わからない本になっている。2023/12/24

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