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内容説明
カネと運しだいの自己責任社会を変える本。
教育費・医療費・介護費・障がい者福祉がタダになり、
将来の不安におびえて今の望みをあきらめなくてもいい、衝撃の方法があった!
本書では、そんな社会を実現する方法「ベーシックサービス」について、
財源、ベーシックインカムとの違い、しくみ、実現への道筋をひもといていきます。
日本では、将来の「必要」に「貯蓄」でそなえなければなりません。
私たちは生活を守るために、子どもを減らし、欲しいものをあきらめ、人並みの暮らしをなんとか維持しようと必死になって生きています。
運がよければいいんです。でも、運が悪ければ、どんなにキャリアを積んでも、ちょっとしたきっかけで奈落の底に突き落とされます。貧しい人に無関心で冷淡な社会は、いつ、自分や子どもたちに牙をむくかわからないのです。
あなたは、そんな社会を子どもたちに残したいですか?
「運が悪く」極貧の母子家庭で育った財政学者が、壮絶な自身の過去とともに、社会を変えるシステムを解き明かします。
*2021年刊行の『どうせ社会は変えられないなんてだれが言った?』に最新状況を加筆、再編集して新書化したものです。
(底本 2024年4月発売作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
うえぽん
44
財政社会学者の慶大教授が3年前に刊行した本を大幅に改稿して新書化したもの。税、中でも課税ベースが広く税収増効果が大きい消費税の増税とセットで、福祉、医療、教育等のベーシックサービスの提供と現金ベースの品位ある最低保証が、ライフセキュリティをもたらすとする。民進党との政治的関与の後に公明党、自民党による施策的接近が生じたこともあってか、中庸の政治を求めている。コロナ禍での政府・社会の対応が示したリスクにも警鐘を鳴らしつつ、ベーシックサービスの保障に加えて、人と人の間にある人間の本質にも迫った意欲作と言える。2024/09/22
よっち
28
教育費・医療費・介護費・障がい者福祉が無料になる社会を実現する方法「ベーシックサービス」について財源、ベーシックインカムとの違い、しくみ、実現への道筋を解説した1冊。自身も「運が悪く」極貧の母子家庭で育った財政学者が、困難だった自身の過去も語りながら、ベーシックサービスによってどのようなことが変わっていくのか、相対的に格差が小さくなる考え方や、それに財源がどれくらい必要となるのか、ベーシックインカムやMMTとの違いは何かを解説していて、それとソーシャルワーカーの重要性を語る著者の想いを興味深く読めました。2024/04/26
Francis
17
再読。どうして「ベーシックサービス」すなわち消費税増税分を財源にした教育・医療・介護などの社会サービスを無料にすることが必要なのかを、著者井手英策さんご自身、あるはお母様の人生を振り返りながら説く。井手さんは私とは一歳年下なだけですが、同世代のほとんどが経験していない貧しい母子家庭に生まれ育ちながら、苦学されて研究者になられたのです。その経験から得られた本書の主張は真に説得力のあるものですが、それだから響かない人には響かないのかな。2025/11/18
Mc6ρ助
15
あの井手英策さんのベーシックサービス論、熱血主張にお腹いっぱいだったけど(いや、これは名著)、少なくとも食品の消費税は廃止してほしいし、住宅政策はベーシックサービスの対象と異論がいっぱい。食なんて子供食堂は民間だぞ。大企業の内部留保はお金を貯めてるわけではなくて海外に投資してるんだというSNSの投稿を見て、労働者に分配もせず国内市場に投資もしない(ゆえにに消費が伸びない)ならば税金で国内に還元してくれ、トヨタなんてどのツラさげて日本から出ていって存続できると思ってるんだと毒づきたくなる。2024/10/21
zoe
14
ベーシックインカムではなく、ベーシックサービス。義務教育もベーシックサービスですね。そういう必要なものを提供する。お金で提供しようとすると、インチキ受給者が登場し、モラルが崩れる。根底には汗水かきながらの互助。財源は消費税。1%上げると2-3兆円になるとか。年収〇〇〇万円の壁問題も、消費税を上げればよいのかも。急ではなく、毎年か隔年で1%くらいずつ15%くらいまで。とりあえずそう決めて。3年くらいあれば、何かまともな制度ができると信じて。2024/11/20




