内容説明
丸ノ内線はなぜあちこちで地上に顔を出すのか。都営三田線の終点はなぜ他線と接続しない西高島平になったのか。霞が関・市ヶ谷・麻布・上野など、あちこちにあった巨大な地下壕はだれがつくったか? 日本最大の祟り神である崇徳院をまつった東京の神社はどこにある? 地下鉄、軍施設、怨霊、火葬場など、ふだん目にすることの少ない東京の姿を地図と模式図とカラー写真で紹介する、好評シリーズの第5弾。地下にドラマあり。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
137
最初に東京の地下鉄の高低差を示した路線図があり非常に参考になります。結構高いところから海抜0メートル以下までということで今までのイメージを改めさせられました。まあ最近の地下鉄はかなり深いところまで行かされるのでかなり地下だとは思っていましたが。そのほか都心の地下壕や怨霊を鎮めるための話、団地の系譜など興味のあることばかりでした。2017/04/15
keroppi
33
電車繋がりという訳でもないが、今度は地下鉄。東京の地下鉄は、まるでジェットコースターだなと思っていたら、突然怨霊が出てきてびっくりした。章ごとに違うテーマだったんですね。その他にも団地の話だったり、カラーの図版や写真も満載で楽しめた。他の巻も読んでみようかな。2017/04/28
かごむし
25
東京の地下鉄・地下壕・怨霊・団地とテーマがちらかっているようにも思える。東京中の地味な観光スポットから、その地の由来みたいなパンフレットを根そごきかき集めてきたような本だなあと思った。外から移住してきた人間には無機質に見える大都会東京も、人々の生活という血が通ってできてきたんだな、というようなことをぼんやりと思う。ただ、ちょっと僕とは合わない本だったかなとも思う。東京に住んで20年以上経つが、地域に愛着がないのはよくわかった。ただ、この本でうれしくなれるのは、僕よりも古くからの東京在住民だろうと思う。2017/05/31
多喜夢
11
地下鉄って、乗ってる時には、高低差なんて全く気にならないのだが、実はびっくりするぐらいアップダウンがあることに驚いた。今度メトロに乗るときは、本書の見開きページの地図を確認したい。2017/08/06
浅香山三郎
10
竹内正浩さんのシリーズ5冊目。地下鉄、防空壕、怨霊、団地といふ各章のテーマを同じ「地下」といふ括りにしてしまふのは、やや無理矢理感もあるが、手抜きのない調査と古地図の駆使により、各々の場所の来歴を明かす職人藝はいよいよ熟練。東京の地下鉄の高低差や建設事情を紹介する第一章、戦後に作られた団地の元には、軍事施設・工場・御屋敷があつたといふ第四章等、示唆に富む。将門塚の話はよく知られてはゐるが、神田祭が元々は曳山の祭だつたことは恥ずかし乍ら全く知らなかつた。2016/12/31