内容説明
この物語はまるで本物の誕生のように脂や粘液で蔽われてぼくのなかから生れてきた――。父親との対峙を描く「判決」、特殊な拷問器具に固執する士官の告白「流刑地にて」、檻の中での断食を見世物にする男の生涯を追う「断食芸人」。遺言で原稿の焼却を頼むほど自作への評価が厳しかったカフカだが、その中でも自己評価が高かったといえる15編を厳選。20世紀を代表する巨星カフカの決定版短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
68
カフカといえば不条理というイメージがある。その影響かカフカを読みたいという人は少ない気がする。でもどこか気になっている人!本書はそういった人にとてもおすすめできるものになっている。なぜかというと本書は短編集になっているからである。短編集なら仮に合わない話があっても飛ばすことが出来る。そして本書は読者そしてカフカ自身が評価した作品だけで構成されている。めっちゃ面白かった!2024/08/08
優希
67
決定版と銘打っているだけあり、どれも面白い短編ばかりでした。自作への評価が厳しいことで有名なカフカですが、自己評価の高い作品が厳選されているので、カフカの入門として最適だと思います。不条理の面白さを存分に味わいました。今年はカフカ没後100年ということなので、カフカ作品を色々読みたいですね。2024/05/17
tonpie
52
この歳になってカフカを読み直すのは、かなりしんどかった。私にとって小説を読む「愉しみ」のかなりの部分が、ジャンルを問わず、「他人の人生への共感」になっていると感じる。小説を読む動機として、その部分が年齢とともに大きくなってきていると思う。カフカの小説はそこの部分が、ごく最小化、もしくは別のものに変形しているのだ。カフカの小説を読むと、そこにはカフカという特殊な人間を透した非人間的な世界があり、普通の人間の生活は感じられない。 ↓2024/07/27
Apple
48
小説数篇と随筆が何個か収録されていました。随筆の方は今ひとつピンとこない感じでした。短編小説はどれも面白く、さらに言えばひとつひとつが読むことで爪痕を残してくるような感じがありました。「火夫」がとくに印象に残りました。覆りようのない人の地位の違いが現れていて、生々しい話を書くものだなあと思いました。「流刑地にて」などは、こんな話ぜんぜん読んだことないと言う感じで、なんともコメントし難いですが、人間の心のなんらかの部分を描いているのかなーという難しい話だと思いました。2024/06/12
ω
43
「判決」とか大昔に読んだはずだけどすっかり忘れてるし(^ω^;) 「断食芸人」は面白い!好き!「流刑地にて」は、まだ起きれる、読めるぜ…。。しかし、「万里の長城」から後は記憶がないww 8勝7杯w2024/07/27
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