光文社文庫<br> 世界が赫(あか)に染まる日に

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光文社文庫
世界が赫(あか)に染まる日に

  • 著者名:櫛木理宇
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 光文社(2019/11発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334779030

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内容説明

中学三年生の緒方櫂は復讐心をたぎらせていた。従弟が上級生たちから凄絶ないじめに遭った末に意識不明の重体に。その妹も同じ連中に性的暴行を受けたのだ。自殺願望を持つ同級生・高橋文稀が櫂の復讐の相棒となることを承諾。二人は予行演習として、少年法に守られて罰せられない犯罪者たちを次々と襲い始める。エスカレートする制裁の果てに待つ衝撃の運命とは?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やも

79
少年の念密な復讐劇。派手なグロと共に。久しぶりにこんなに暴力シーンが続く本を読んだ。それはもうとんでもない、取り返しのつかないような虐めをした奴らを拉致して、制裁としてリンチを加える。これまたとんでもないリンチシーンが何度も続いて…。悪意ってどっから生まれるんだろう。どう断ち切ればいいんだろね?明らかな悪への復讐劇って分かってても、スカッとジャパンにはならなかったな。てかエピローグ読むと、いつ自分が狙われるかも分からない事にゾゾゾ。2025/04/29

69
凄絶ないじめ、性的暴行を受けた従兄妹の復讐を企てる櫂と、その相棒となった15歳の誕生日に自殺する予定の文稀。最終的な復讐の前に、予行演習として別のいじめ、リンチ事件の加害者を計画的に襲っていく二人。加害者たちがしたことを思えば復讐は当然だという思いがある一方で、それでも、二人のその行動が正しいとも言い切れない。きっと間違っている。けれど、一番間違っているのはこんな理不尽な暴力が許されているようにも見えるこの世界そのものなのかもしれない。二人が何をしたところで、この世界は何も変わらない。それもやるせない。2019/10/20

HANA

59
リーダビリティ抜群、そのストーリーに引き込まれて一気読み。いじめによって従兄妹の未来を失った少年。彼が公園で15歳で死ぬという少年と出会った事によって物語が動き出すという、復讐物なのだが。昨今溢れる凡百の復讐物が、加害者へ与える罰が中心となっているのに対し、本書の骨子は主人公側の心の動き。確かにカタルシスもあるのだけど、徐々に明らかになっていくもう一人の主人公の理由が気になって頁を捲る手が止まらない。復讐物の昏い快感と主人公側の心の動きを探るミステリが表裏一体となった、本当に面白い一冊でありました。2019/09/17

Junichi Yamaguchi

48
『これは、やっちゃっていいな』… 僕は神頼みをよくする。 でも、このような作品を読むと「神様なんているわけがない」と、思ってしまう。 この作品は戦争だ。 答えの出ない悲しい戦争だ。 正義っもんは、もっと分かりやすくなきゃいけない。 正義の背中で悲しい涙が流れたら、その正義は錆びついちまう。。2019/10/22

47
少年法に守られて罰せられない犯罪者と言えば最近では旭川女子中学生いじめ凍死事件が思い浮かびます。私はこのような少年法に守られて罰せられない犯罪者達に憤りを感じます。海外に目を転ずると少年でもちゃんと罰せられるというのに、ここ日本では少年法が邪魔をして罰することが出来ないのが非常にもどかしい。本書はそんなケースを私刑という形で主人公とその友人の二人によって実行されていく過程がストーリーとなっています。そんなストーリーですが終盤はちょっとモヤモヤが残る結果でした。ちょっと高橋文稀の暴走が解せなかったです。2024/06/20

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