光文社文庫<br> 世界が赫(あか)に染まる日に

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光文社文庫
世界が赫(あか)に染まる日に

  • 著者名:櫛木理宇
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 光文社(2019/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334779030

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内容説明

中学三年生の緒方櫂は復讐心をたぎらせていた。従弟が上級生たちから凄絶ないじめに遭った末に意識不明の重体に。その妹も同じ連中に性的暴行を受けたのだ。自殺願望を持つ同級生・高橋文稀が櫂の復讐の相棒となることを承諾。二人は予行演習として、少年法に守られて罰せられない犯罪者たちを次々と襲い始める。エスカレートする制裁の果てに待つ衝撃の運命とは?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

69
凄絶ないじめ、性的暴行を受けた従兄妹の復讐を企てる櫂と、その相棒となった15歳の誕生日に自殺する予定の文稀。最終的な復讐の前に、予行演習として別のいじめ、リンチ事件の加害者を計画的に襲っていく二人。加害者たちがしたことを思えば復讐は当然だという思いがある一方で、それでも、二人のその行動が正しいとも言い切れない。きっと間違っている。けれど、一番間違っているのはこんな理不尽な暴力が許されているようにも見えるこの世界そのものなのかもしれない。二人が何をしたところで、この世界は何も変わらない。それもやるせない。2019/10/20

HANA

58
リーダビリティ抜群、そのストーリーに引き込まれて一気読み。いじめによって従兄妹の未来を失った少年。彼が公園で15歳で死ぬという少年と出会った事によって物語が動き出すという、復讐物なのだが。昨今溢れる凡百の復讐物が、加害者へ与える罰が中心となっているのに対し、本書の骨子は主人公側の心の動き。確かにカタルシスもあるのだけど、徐々に明らかになっていくもう一人の主人公の理由が気になって頁を捲る手が止まらない。復讐物の昏い快感と主人公側の心の動きを探るミステリが表裏一体となった、本当に面白い一冊でありました。2019/09/17

Junichi Yamaguchi

48
『これは、やっちゃっていいな』… 僕は神頼みをよくする。 でも、このような作品を読むと「神様なんているわけがない」と、思ってしまう。 この作品は戦争だ。 答えの出ない悲しい戦争だ。 正義っもんは、もっと分かりやすくなきゃいけない。 正義の背中で悲しい涙が流れたら、その正義は錆びついちまう。。2019/10/22

JKD

38
15歳、中3の櫂は同級生にいじめられ暴行を受け意識不明になった従弟の復讐を企てる。そこに10歳で5年後に死ぬ決意をした同級生の文稀に出会い、未成年で社会のクズと称した少年たちを復讐の練習として制裁を与える行動に出る。実行に当たっては犯した罪の経緯と事実をくまなく調査し怒りを高め襲撃エネルギーにする。もはや必殺仕事人。手持ち花火ではしゃぐような中学生2人なのにやることはえげつない。果たして復讐は正義か?を問う物語と思ったがラストの大暴れで何だか拍子抜け。結局何がしたかったんだろう?と考えてしまう一冊でした。2019/10/06

ぱなお

36
自分の大切な人をいじめで死に追いやった奴らに復讐するため、練習としてネットで見つけたいじめの加害者を次々に襲っていく。私のいじめの記憶は心理的なものが多い。無視、仲間外れ、嫌がらせ。先週はあの子がその対象だったのに今日からは私。そんな日がローテーションのように回ってくる。肉体的な暴力までは受けたことがない。だからこの本のように肉体的な暴力を受けて、半身不随とか眼球破裂とかまでされて、加害者は数年で出てくるようだと絶対復讐したいと思う。ハムラビ法典すら、最初を入れてないからおかしいという論理は妙に納得した。2021/05/09

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