内容説明
「自分はこれらの曲を演奏すべきなのだろうか?
自分にははたしてそんなことをする権利があるのだろうか?
自分自身のアイデンティティは、
ことばや音楽になって提供されている数多くのアイデンティティに
どのようにつながっていくものなのだろう?
また作曲家や詩人のアイデンティティにどうつながるのだろう?」
(本書第2章より)
歌をうたうとき、歌い手の自己はどのように変容するのか──。
「音楽の解釈者のなかでももっとも才能ある文筆家」(アルフレート・ブレンデル)と評される英国随一のテノール歌手イアン・ボストリッジが、「ダフ・クーパー賞」(すぐれたノンフィクション作品にあたえられる英国の権威ある文学賞)を受賞した前作『シューベルトの「冬の旅」』(小社刊)に続いて世に問う音楽論。
ジェンダー、人種、死をめぐり、モンテヴェルディ、シューベルト、シューマン、ラヴェル、ブリテンなどの作品を考察し、音楽の「隠された歴史」にせまる!
◎本書に登場する音楽作品
モンテヴェルディ『タンクレディとクロリンダの戦い』
シューベルト『冬の旅』
シューマン『女の愛と生涯』
ラヴェル『マダガスカル島民の歌』
ブリテン『カーリュー・リヴァー』『戦争レクイエム』『ヴェネツィアに死す』ほか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kazutox
6
著者は現代を代表するリート歌手でかつ博士号持ち。大学での講演を元に書かれた本。来日コンサートの会場で購入しました。歌手が書いた本というよりも、研究者あるいは哲学者が書いた感じの内容。コンサートではだいぶアツい歌い方でしたけどね。取り上げている作曲家と作品は、1. モンテヴェルディ「タンクレディとクロリンダの戦い」シューマン「女の愛と生涯」ブリテン「カーリュー・リヴァー」2. ラヴェル「マダガスカル島民の歌」3. ブリテンの「聖なるソネット」「戦争レクイエム」「ヴェネツィアに死す」。2024/02/02
トビケ
0
イアン・ポストリッジというテノール歌手が、それぞれの曲にどう向かっているのか。言葉で示されると味わいに奥行きが増し、音楽を聴くことの愉しみが倍増する。現代アートの作家と話をしながら、その作品を我が所有物とし、家で眺めたときの気持ちと共通の、心と思考の振動がある。結局はパーソナルな受けとめなのだが、たしかに繋がりを感じる。そういうときに、本を読んだり、音楽を聴いたり、アートを眺めたりすることの興奮が得られて、生きていることの証拠を掴んだ気になる。2025/10/24
takao
0
ふむ2025/09/30
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