内容説明
戦国時代の九州では、どのような合戦が繰り広げられたのか。大友・島津ら大名間の覇権をめぐる合戦や秋月氏ら国衆の領国争い、秀吉の九州平定にいたる歴史を、政治・軍事拠点であった城館に焦点をしぼって描き出す。大名・国衆の城に限らず、平地の館、「陣(じん)城(じろ)」にも着目。築城をめぐる彼らの目論見を読み解き、新たな九州戦国史像を明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
99
九州の戦国時代の城郭にはそれぞれ、分国毎に特色があり、実に興味深いものがあった。時代は島津氏の三州統一から始まり、大友氏と島津氏の抗争、龍造寺氏の膨張とその破綻、豊臣秀吉の九州侵攻とその後に至る、長くて短い戦国時代を描いている。肥前の「海の豪族」の城は、簡素な構造で規模は小さいが、出土品は輸入陶磁器が多く含まれ豪華であったとか、九州最大級の山城は二週間で概成した数十haに及ぶ巨大キャンプであるとか、トピックも実に興味深い。2022/11/04
MUNEKAZ
9
普通に城の縄張りを紹介するだけではなく、その城が舞台となった九州戦国史の著名な合戦とも絡めているので読みやすい。著者の専門は北九州のようだが、とくに筑前の秋月氏の城を扱った章が印象に残る。大規模な畝状空堀郡を持つ城郭郡を、仮想敵である豊後方面(大友氏)に密集させた防衛ラインは、一国衆の域を超えたスケール感で驚かされる。またどれほど技巧的であったり大規模な城郭でも、それを守備するに足る人員がいなければ張り子の虎であり、単純に縄張りだけで城の強弱をはかるものでもないなと思わされた。2023/10/29
うしうし
4
お値段が少し高かった(2,000円以上)だったため、購入せずに県図書本を読了。島津氏が九州を席巻してゆく状況と豊臣政権によって支配が後退してゆく状況が、城郭の様相を通じてよく理解できた。購入すべきだった書籍。本書に取り上げられていた城郭を訪ねてみたくなった。2022/07/02
onepei
3
おもしろい切り口だった。 巡りたい。2022/02/18
Ryuji Saito
0
2022年3冊目。2022/02/19
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