新潮新書<br> ルポ 海外「臓器売買」の闇(新潮新書)

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ルポ 海外「臓器売買」の闇(新潮新書)

  • ISBN:9784106110399

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内容説明

「絶対に許せない。どんな団体なのか調べてほしい」。二千万円以上を支払った被害者の一人は、憤りをあらわにした。キルギスやベラルーシなど海外を舞台にした「臓器売買」疑惑。約十人の記者たちは地を這うような取材を重ね、事件の構図をあぶりだし、ついに疑惑のカギを握る人物を直撃――一面を飾ったスクープは、社会に大きな衝撃をもたらした。優れた報道に与えられる「新聞協会賞」を受賞した調査報道の全貌。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

131
病に苦しむ人やその家族は、金を払ってでも健康な臓器を求めた。望むものは与えられる。倫理や法律のうるさい日本ではなく、海外で貧しい人や死刑囚から買い取るという形で。多額の費用が必要な外国での臓器調達や手術あっせんに金儲けの匂いを嗅ぎつけた面々が、提供者も手術を受ける側も仲介する自分たちも三方一両得との理屈で公然と闇の世界で活動していたのだ。調査報道が失われたとされる今日だが、久しぶりに真実を暴くジャーナリズムの成果を読めた。日本人の移植に関する意識が変わらない限り、この闇は決して消えないとの思いが苦く残る。2024/07/15

kan

28
世界に貧困と経済格差がある限り、臓器売買はなくならない。藁にも縋る思いで海外での臓器移植を求める患者の切実さにつけこむ違法ビジネスが跋扈するのも止められない。法をすり抜ける、生体を死体にし、国籍すら異なる赤の他人を親族にする偽造書類と周到な準備は袖の下次第でなんでもありだ。抑止するのはイスタンブール宣言や倫理指針に基づき、海外での臓器移植後のフォローアップ診療を拒否する各病院の判断と通報システムくらいだろうか。息遣いまで伝わってくるような報告と赤裸々な実態がしんどく、読むのになかなか骨が折れた。2024/09/04

れゆにさ

9
普段、このようなルポルタージュは手に取らないんだけど、なんとなく買ったもの。タイトルに「海外」と書いてるし、どこか遠い国の、現実味の薄い話かと思い込んでたけど、思いっきり日本で起こったことだった。ただ、お金の欲しさに売りたがる人が地球上にも多く存在することに驚いたよ。読売新聞取材班の執念がとても感じられる渾身の一冊。いい新書を買ったなぁと思った。2025/01/29

こづこづ

7
臓器あっせん(の疑いが強い)NPOを悪と捉え、読み進めるのもよいが。他の立場(患者、ドナー、ブローカー、NPO)の状況や気持ちに立つことも大切だと思ったし。その想像を可能にする細やかな取材内容が伝わった。2024/04/25

鈴川愛夏

5
●ルポ海外「臓器売買」の闇/読売新聞社会部取材班 #読了 もっと深く知りたくなった2024/07/12

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