野球のメディア論 - 球場の外でつくられるリアリティー

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野球のメディア論 - 球場の外でつくられるリアリティー

  • 著者名:根岸貴哉
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 青弓社(2024/03発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784787235343

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内容説明

野球ファンの多くは、テレビや配信、テキスト速報、SNSでプレーを共有しながら楽しみ、勝敗に一喜一憂する。実際にプレーする人や現地観戦する人もいるが、ほとんどのファンはメディアを通して野球を見ている。では、メディアはどのようにして野球を捉え、描き、野球そのものに迫ってきたのか。

写真やイラストを多用して野球を見る視点を生み出した雑誌、カメラアングルや実況で野球の見せ方に大きく影響したテレビ中継、選手を操作するゲーム、実在の選手をも物語に登場させる漫画……。

選手のキャラクター化、スローモーションなどの技術による「動き」への着目、メディア間の相互関係などの論点を整理しながら、メディアを通してしか見られない野球の魅力や豊かさを描き出す。スポーツを捉えようとするメディアの試行錯誤や多様性、ダイナミズムに迫る野球視覚文化論。

目次

序 章 「野球観ようぜ」

第1章 雑誌で野球選手はどのように表されたのか――雑誌「野球界」の写真とイラストを中心に
 1 視覚文化として語られない野球
 2 雑誌「野球界」の概要
 3 「野球界」に掲載されていた野球写真
 4 野球写真の技術論
 5 「野球界」のイラストの特徴と解釈
 6 雑誌「野球界」での選手の表象とファンの要望

第2章 野球中継でのカメラアングルの変遷とその影響
 1 メディアスポーツからみた野球中継の重要性
 2 野球中継に関する研究動向とその重要性
 3 テレビ中継のカメラアングルの変遷――バックネット裏からセンターカメラへ
 4 センターカメラからの映像が及ぼした影響
 5 新技術によって変化しつづける野球中継

第3章 野球中継の言語分析――実況、解説、一般視聴者のピッチングフォーム批評からみえるもの
 1 スポーツ中継の言語分析の重要性
 2 なぜピッチングフォームなのか、なぜ高校野球なのか
 3 テレビ中継のピッチングフォーム批評と一般視聴者のコメント
 4 ピッチングフォームの言語表現の分類と解釈――「オーソドックス」と「変則性」の集合としての「独特」
 5 ピッチングフォームの「躍動感」と「ダイナミック」
 6 ピッチングフォームの「きれいさ」と「かっこよさ」
 7 ピッチングフォーム批評から考えるメディアと視聴者の関係性

第4章 野球のデジタルゲームの展開と構造
 1 なぜ野球ゲームをプレーするのか
 2 初期野球ゲームの変遷
 3 野球ゲームのストーリー
 4 野球ゲームの選手の個人性――『ファミスタ』から『パワプロ』へ
 5 野球ゲームの画面構成と野球中継との相互作用
 6 野球ゲームの独自性

第5章 野球漫画のなかの他メディアと実在選手――『巨人の星』と『ドカベン プロ野球編』を中心に
 1 野球漫画の先行研究とその問題点
 2 『巨人の星』とスター選手
 3 『ドカベン プロ野球編』での実在選手
 4 メディアとしての野球漫画とリアリティー

第6章 メディアによって展開される「野球」
 1 野球選手のキャラクター化
 2 メディアを通して野球を観るということ
 3 展開される野球世界
 4 メディアで展開される野球

参考文献一覧

初出一覧

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あまみっく

2
大正期から昭和初期の雑誌「野球界」、昭和に始まったテレビ中継、野球ゲームに野球漫画と、メディアがいかにして野球を表象してきたかを探る「観る野球」論。雑誌・テレビ・ゲーム・漫画と、著者が過去に発表した論文をもとにそれぞれ論じており、どれも大変興味深い内容なのだが、もう少しボリュームのあるものだと期待していたこともあって、やや物足りなさも感じた。ただ、それほど野球とメディアの関係は歴史があり、奥深いものなのだと痛感する。2024/05/26

まろーん

1
中継のカメラがバックネット裏からセンター側に変更になった事で配球等が確認しやすくなり、捕手の思考、打者対バッテリーの存在が浮かび上がるのが興味深かった。2024/11/01

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