岩波文庫<br> ダライ・ラマ六世恋愛詩集

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岩波文庫
ダライ・ラマ六世恋愛詩集

  • 著者名:今枝由郎/海老原志穂
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • 岩波書店(2024/03発売)
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  • ISBN:9784003206911

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内容説明

ダライ・ラマ6世(1683-1706)ツァンヤン・ギャンツォは,ダライ・ラマの化身とされながら,自ら還俗して,恋に明け暮れ詩を詠う若者となった.23歳で数奇な生涯を終える.彼の残した六音節四行のリズム感溢れる詩は,今もチベットの人々に広く愛唱され親しまれている.慕情,逢瀬,再会の誓い…,様々な恋愛詩から100篇を精選した.

目次

ダライ・ラマ六世恋愛詩集
注解
解説一 ダライ・ラマ六世の生涯とその特異性………(今枝由郎)
解説二 ダライ・ラマ六世恋愛詩の特徴………(海老原志穂)
チベット地図

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

61
読書メーターでこの帯付の書影が出た時、「本当に岩波か?」と目を疑った思い出があります。何度も生まれ変わるダライ・ラマ6世の中で恋に生きる為に還俗し、蕩尽するも処刑された、最も異色な「ダライ・ラマ6世」を基にした(憑依したような詠み人知らずの)艶歌集。七五調のリズムが心地良い。もうすぐ、娶られる幼馴染へ募る想い、恋路を遮る修行への苦悩、忍ぶ恋によって味わう秘密への罪悪感とその高揚が伸びやかに詠われる。特に後朝の別れまでに褥や裸の背に流れる髪の描写はなんと甘美な光景なのだろうか。2023/04/30

しゅてふぁん

40
ダライ・ラマ6世の、あるいは彼のものと伝えられている100編の詩が七五調に訳された一冊。一読でその情景を思い浮かべることができるもの、共感できるものが沢山あって読みやすかった。ダライ・ラマは時を隔てて異なった人間ではなく、同一人物が何回目の「生まれ変わり」であるかを指しているということにびっくり。ということは、破天荒な人生を送った6世さんも同一人物なのかと考えるとちょっと楽しい。「人恋い初めし始めより/夜な夜な床に寝つかれず/日に日に心物思い/休むいとまのつゆもなし」2023/05/05

ロビン

18
チベットの宗教指導者であるダライ・ラマ、その第六世ー一旦は法王となるも、後に還俗し、その放蕩生活のゆえにチベット王ラサン・ハーンにより処刑されたーと彼に仮託して書かれた詠み人知らずの恋愛詩を100選び出して編まれた詩集。六世の生涯とその特異性について書かれた「解説1」と、チベット詩の伝統の流れの中における六世の恋愛詩の特徴について書かれた「解説2」を収録してあり、懇切である。詩自体はごく短く、またチベット南部らしいまた僧侶ならではの言葉や風俗を詠み込みながら、率直に素朴に恋愛の悩みや歓びを表現している。2023/03/17

tom

17
ダライ・ラマ六世は1683年から1706年の人。ダライ・ラマに選ばれたのに、就任直後に還俗、その後は蕩尽の世界に遊んだとのこと。そして、彼の行動は、周りの人を引き付けたらしい。ここのところに惹かれて借りて来る。収録されているのは彼が作ったとされている恋愛詩。ただし、詩として面白いかと問われたら、私としては面白くない。例えばこんな感じ「このつかのまの人生で 我喜びに浸りけり 来世の春にまたしても 会えるや否や愛し娘に」。苦労して翻訳したのだろうけど、擬古文で書かれた民俗歌謡という感じ、原文の風味が見えない。2023/05/23

新田新一

12
聖職者の頂点に立つダライ・ラマの中に、詩人がいたとは知りませんでした。しかも、俗世に帰り放蕩で身を持ち崩したことに驚きました。自分の胸の内を飾らないで表現した詩は美しく、切ないです。良い詩が多いので、今でもチベットで愛好されているのは自然という気がしました。エロチックな内容のものもありますが、表現の仕方が美しくて言葉の美を感じました。巻末にはチベットの詩の歴史も書かれて、読み応えのある一冊になっています。2023/08/01

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