内容説明
人類がテレポートに目覚めた未来。赤川勇虎は少女ナクサと逃亡中に驚異的な能力に目覚める。緊迫のハイパーインフレ瞬間移動SF
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芳樹
34
人類がテレポート能力を持ったことで激変した未来の地球を舞台にしたSFであり、ボーイ・ミーツ・ガール的な恋愛物語でもある作品でした。『テレポート』が如何なる原理でどのような現象が起こるのかをしっかり定義したことによって、テレポートだけでここまでやれるのかと、「テレポート=瞬間移動」という古典的な固定観念を覆させられた感じがします。作品全体としては様々な要素がこれでもかと詰め込まれており荒削りな感じは否めないものの、素粒子レベルから宇宙規模まで語られるスケールの大きな作品で、その面白さを堪能させて頂きました。2024/04/02
よっち
32
人類がテレポート能力に目覚めた近未来。不慮の事故がトラウマとなり能力を失った赤川勇虎が、違法テレポートによる麻薬密売組織から逃亡した少女ナクサと運命的な出会いを果たす物語。ふとしたきっかけから出会ったナクサにうっかり関わってしまったことで、その逃亡生活に巻き込まれてゆく勇虎。失われた地に住むロードピープルの助けを借りて、敵の襲撃に対応しながら組織の拠点に向かう展開でしたけど、そこで明らかになってゆく壮大な計画、苦悩しながらも勇虎が立ち向かう展開は粗削りながらもスケールの大きさを感じさせてくれる物語でした。2024/03/21
にぃと
10
テレポートか当たり前になった世界が舞台。「テレポータリゼーション」社会というワードがもう好き。ひょんなことから出会った少女を狙う悪の組織と対決する、というのはわかりやすいし、襲いくるテレポーターたちとの対決もそれぞれ個性的で面白かったし、それだけでなく予想外のところもあって驚きだった。テレポートに関するものだけでなく仏教系のワードもあり、難しいところもありながらも読み応えのある作品だった。2024/04/07
ソラ
8
【読了】C アイデアが豊富な反面、詰め込み過ぎだなと感じるところもあり、まさに原石のような作品。2024/03/24
玉瑛
4
パワフルなSFは読んでいてそれだけで嬉しくなる。この作品はハヤカワSF大賞に応募された作品で、選評も1部抜粋されている。結構なこき下ろされ方もしているが、熱意と愛が評価されてるよう。この作品以下の構成や設定で賞賛されてるSFの大家もいるじゃねぇかと思いつつも言いたいことはわかるかなという感じ。一気に読んでいる時は一緒にビュンビュン翔んでいるように着いて行けるが、1度本を閉じて寝てしまったりすると一気に置いてかれる感じがする。それすらも魅力に感じる。アニメやドラマで丁寧に映像化したらカルト的な人気が出そう。2024/05/18