内容説明
米Amazon Web Services（AWS）が提供するサービスは、サーバーを構築する仮想サーバーサービスをはじめ、DX（デジタル変革）に必要なAI（人工知能）やデータ分析などのサービスもそろっています。既にAWSのサービスを活用したシステムを構築している企業も多いでしょう。
AWSが提供するクラウドサービスの多くは従量課金制です。処理能力に応じて利用リソースを変更できるため、必要な分だけ使うことで無駄なコストを削減できます。しかしコストをしっかりと意識しておかないと、便利なので使いすぎてしまい予算を超過してしまうといったことになりかねません。開発時に想定以上のコストを費やしてしまった、運用・保守の予算が足りない、といった声もITの現場からは聞こえてきます。またクラウドサービスへの支払いの多くは、米ドル建てです。為替の影響によるコスト増も無視できるものではありません。
本書ではコスト課題を解決するため、AWSコストを最適化し、テクニックによって削減する具体策を紹介します。IT現場で実証したテクニックなので自社のコスト削減に効果があるはずです。新しいシステム開発への余力を生み出すためにも、ぜひ実践してみてください。
目次
第1章 主要サービスのコスト最適化
・ベストプラクティスから学ぶ コスト最適化の基本
・AWSのツールで事前見積もり 対象外のサービスには注意
・EC2で迷ったら基準を選ぶ お得な長期利用も視野に
・ストレージサービスの最適化 S3を第一候補に使い分ける
・運用管理コストを考慮 RDBMSの選び方
・接続数を見極めてサービスを選ぶ ネットワークを最適化する設計 ほか
第2章 ITの現場が生み出した削減テク
・利用クラスと転送処理に着目 S3のコストは9割減も可能
・ETL処理に便利なGlue Lambdaに置換しコスト9割減
・コスト削減に効くマイクロサービス 導入時に注意する時間制約
・本当に必要かを見極める Athenaのコスト削減
・分析に欠かせないRedshift 余計なデータ格納を回避
・Auroraの運用コストを軽減 単純だが効果大の停止スケジュール ほか
第3章 プロジェクトで学ぶ削減術
・AWSを選んで先行者利益を得る 分析の肝になるDWH構築
・特有の「プロジェクトを定義する」 データの整理整頓を実施
・ユーザー部門は前向き システム部門は不安がいっぱい
・生保業界で注目のDWH構築 アジャイル開発に初挑戦 ほか
