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内容説明
発達心理学者・ボウルビィが提唱したアタッチメント(愛着)は母子間の特別な絆と考えられがちであるが、実際には子どもにとって重要なすべての大人との間に形成されうる。本書ではアタッチメント理論をベースに、子どもが大人とのかかわりの中でどのように心を育て、生きる力を得ていくのかをやさしく解説。親や養育者はもちろん、保育士や教師、そして子どもを愛するすべての大人に捧げるアタッチメント理論の実践的入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいきち
28
たしかに、母、父、自分の閉鎖的な世界から、突然「保育園」という第三者がいる社会に放り込まれたら、不安と恐怖でいっぱいになりますよね…。それでも子どもたちが毎日保育園で1日過ごしていられるのは、「母親」「父親」という安心基地があることを知っているから。基地があるから旅立っていける。勉強ができることや良い大学に入ることも大切だけど、自己肯定感だったり、社会的な能力を育むことは、今後の人生で学力よりも非常に重要ですよね。乳幼児期にしっかり周りの大人たちと情緒的な結びつきを得ていくことが大切なんですね。2024/09/29
ひろか
9
これは五つ星。泣き止みたいから泣くのだ。これはおすすめしたい。2024/03/30
せっかちーぬ
7
母から生まれ、母や父、他の家族とのアタッチメントを経て社会へ。そのいずれかで、いくら密接に関わっていても、社会に出ることは不安。先々で、社会にいる我々は発達の当事者になり、その先に繋げる。対応が百発百中でなくてもいい。関わりながら、一緒に答えを見つけていくことが大切。「関係はいつでもここから」という言葉と最後の2ページは、子育てに悩む人達と回し読みしたい。支援する人にも「大丈夫」って言ってくれる人、必要だよね。私にも支援が欲しいと思うのは、自然なことなんだな。2024/12/14
いとう
7
子どものこころは「養育者」と育つ、ではなく「大人」と育つ、とする理由をアタッチメント・ネットワーク、メンタライジングで説明。養育者の行動が子どものアタッチメントに直接影響を与えるのではなく、『大人』が子どものこころを想定してあれやこれやと関わることが、子どもの社会情緒的能力をはぐくみ、アタッチメント形成につながっていくことを自身の研究と文献から紹介(詳解)。親子支援に携わる者として「母親を追い詰めるようなメッセージp22」を自分も知らずに発しているのではないかと自問する日々に、一筋の光明が差すような内容。2024/03/29
リットン
5
親は子どもにとっての安心の基地であることで、子どもがいろんなことに挑戦できるようになるというのはなるほどなぁと思った。子どもがなにが好きか、なにをやりたがるかはわからない中で、親が無理にいろんなことをさせようとするのは難しそうだけど、安心の基地として子どもが挑戦する土台になってあげることならできるかもしれないな。安心の基地であるためには、あなたを大切にしているよ、話を聞いているよ、気持ちを理解しようとしているよ、という姿勢を見せることが大事というのも勉強になる。筆者と娘さんのほっこりエピソードもすごくいい2024/04/25