内容説明
15人vs15人の団体戦「七帝柔道」。この旧七帝国大学だけの寝技中心の柔道に憧れ、増田俊也は二浪の末に北海道大学に入学した。しかしかつて無敵を誇った名門・北大は、旧七帝大同士で競う大会・七帝戦で、二年連続最下位であった。さらに増田の一年、二年の七帝戦でも一勝も出来ず、主力の上級生たちはみな引退してしまう。かつてない絶望的なチーム状況の中、果たして北大柔道部、復活なるか。副主将となった増田は、部内外の仲間たちに支えられながらチームを率いていく――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
110
続編書くまでに随分かかってるんですね。 超個性的な、愛すべき北大柔道部の面々。先生もユニークな人がいたんだな。今はどうなんだろうか2025/07/26
のぶ
91
増田俊也さんの自伝小説にして「七帝柔道記」の続編。前作が面白かったので、期待して読んだが、期待通りの出来栄えで満足な内容だった。15人vs15人の団体戦「七帝柔道」という試合がある。この柔道に憧れて増田俊也は2浪の末に北海道大学に入学した。ただ北大は2年連続最下位だった。この状況を脱出するべく毎日の練習に励んでいく。小説全編ほとんどが柔道の描写で、サイドストーリーはほとんどない。それでも読んでいて不思議と飽きてはこない。単なるスポ根小説にはないものが伝わって来る。ラストの七帝戦では胸が熱くなってきた。2024/04/12
たいぱぱ
70
最後の七帝戦の最中、いつしか自分は北大の選手のひとりになっていた。緊張し、仕掛け、防ぎ、叫び、もがき苦しみ、汗だくになり、息も絶え絶えになった。気付くと無意識に本の両端を強く握りしめていた。汗が蒸気と化し白く烟る道場で血の涙を流しながら努力しても届かぬ勝利。試合に出れぬ弱い選手達、勝って抜かねばならぬ選手達。それぞれの途方もない努力と常軌を逸した練習の積み重ねの果てに待つ世界とは?かつてこんな熱い涙を流した作品があっただろうか…。スポーツ小説を超えた人間ドラマの超弩級大傑作、ここにあり! 2024/05/14
いたろう
66
もう続編は出ないのかと思っていた「七帝柔道記」、前作から10年以上経って出た、待望の続編にして完結編。あの熱い熱い小説の続きが読めたことに、もう感無量。前作同様、あまりにもストイックな練習場面が壮絶だが、今作では、最下位脱出をかけて戦う北大の試合の模様が、前作にも増して熱い。そして、七帝柔道さえ戦い切れれば、あとは体がどうなってもいいという、増田さんの、怪我を押して、ボロボロになりながら柔道をする姿に圧倒される。今作の、更に続きが、「北海タイムス物語」になるのかと思うと、改めて、そちらも再読したくなった。2024/07/15
さつき
65
怪我続きで思うように柔道のできない増田の姿が辛かったです。でも、最初の目標通り柔道部で4年過ごしてやり切ったのかな。一つのことにこれだけ打ち込める時間は人生の中でも貴重ですよね。私には真似できない破天荒な生き方、楽しかったです。2024/12/12