内容説明
恋、仕事、友人、家族......。淡々と生きてきたつもりが、導かれるように出会い、巻き込まれていく――。
ほのかに揺れる心と理不尽で理解の追いつかない状況を、冷静にも芳醇に切り取る女性「コスモ・オナン」の18の物語。
著者、初の書籍。Web連載で人気の作品に加え、書き下ろし一編を収録。
「どこか別の世界に連れて行かれた感じ。」
「なんだこれは。爽やかさがものすごい。」
「こんなに名フレーズの多い文章ないですよ。」
SNSで驚きの声続々! 新進気鋭の作家、稲田万里、誕生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
249
田舎から都会に出てきた女子が恋をしては失って、また新たな恋をしては失ってゆく男性遍歴とバイト生活と過去を描いた短い18編の人生物語。冒頭からこれでもかと性愛描写が続きますが底抜けに明るくあっけらかんとしてイヤらしさは全くなく今が楽しければそれでいいやというノリのコメディータッチの漫才風恋愛ドラマですね。最後は喧嘩別れだったりしますがヒロインは明るく楽しかった部分だけを記憶に留めて祭りが終っても悲しく落ち込んだりはせず常に陽気に生きています。彼女は全部を賭けない恋を意識して幸福な結婚を避けているのでしょう。2023/06/01
one_shot
29
読み友さんから。思いのほか楽しく読了。田舎の息苦しさから逃げて東京デビューした少女のお話。全篇セックスの話をアケスケにしているのに、下品さがない。ジジイはその一点に賭ける。10代の恋と20代の恋はなにが違うのかなんてもう忘れたが、慣れるまではやはり全てを賭けて、いつの間にか相手への依存がひどくなってその都度傷ついていたように思う。ギャンブルも株も恋愛も、消してフルベットしてはいけないのだと知ったのは、もう四十路が見えてきた頃だった。遅い。もし20代にこの本と出会っていたら何か変わっていただろうか。2023/06/15
あまつ
19
どれも明け透けな話だが、文体が軽妙で読ませる。面白い。刹那的な印象の恋バナが読了後に積み重なる。2023/08/30
山のトンネル
11
テーマが山内マリコの作風に似ているけれど、どこか深夜の雰囲気が漂う生っぽさがある。2024/02/22
ほのみ
6
え?なんて?って読み返してしまうような一文から始まり唐突にストンと終わる。特に不快感もなく後に何も残さないいろんな女の子のちょっと変わった日常の性愛の話。‥途中からなんだか生きていくって辛いよなって感じるようになり、この「私」ってみんな同一人物?って理解できる。ありえなそうなエピソードもどこかリアルですぐそこで起きている日常にも思える。2023/05/02
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