父の革命日誌

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父の革命日誌

  • 著者名:チョン・ジア【著】/橋本智保【訳】
  • 価格 ¥2,310(本体¥2,100)
  • 河出書房新社(2024/03発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 630pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309208985

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内容説明

パルチザンとして闘争に身を捧げた父の突然の死。喪主として帰郷した娘だが、その葬儀には思いもよらない弔問客たちが次々と訪れる。人生の複雑さをユーモラスにたたえた、傑作長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

44
亡くなってから初めて出会う家族の一面。世に溢れるありふれた話だが、この自伝的小説で語られる父親は共産主義の革命家だったのである。血を分けた娘であるが故に存在する分厚いフィルターに覆われた一人の人間の姿が、軽やかに語られる友人や親戚の記憶によって鮮明になっていく。初めて知る、弱くもあり強くもある男の一生。当然のごとく綺麗に印象が変わるわけではなく、娘としてアンビバレントな感情が前面に出る瞬間もある。それでも、父親ではない姿を知ることで逆に親子の結びつきが強まる様にはとても心が動かされた。素晴らしい作品。2024/02/27

星落秋風五丈原

22
『北斗の拳』パロディをやるつもりはないが、作品が始まった時には、タイトルの父は既に死んでいる。なんと電信柱に頭をぶつけて亡くなったのだ。パルチザンとして闘争に身を捧げた父の最後としては、あまりにあっけなかった。82歳という高齢であり、認知症も患っていたらしい。若い頃には血気盛んなパルチザンとして名を馳せた男も、結句はただの老人として死んだ。著者の両親がモデル。かなりシリアスなバージョンを先に刊行した所、発禁処分を受け指名手配されてしまった。満を持して書かれた作品はシリアスみを減らしている。2024/03/22

本の蟲

12
望外に良かった初読韓国人作家。父が死んだ。電信柱で頭を打って…から始まる、パルチザンの娘が見た三日間の葬儀の様子。南北分断直後、韓国内でも左翼勢力による反乱、パルチザン(共産ゲリラ)による抗争と軍事政権下での摘発・鎮圧活動が行われた。投獄され、出所してなお社会主義者を貫いた生前の父。アカの娘として肩身が狭い思いをしてきた主人公は、そんな父に呆れ、距離を置いていたが、次々訪れる弔問客(確執があった親族・元パルチザンの盟友・思想が違っても仲が良い飲み友達・意外な煙草仲間)に思いもよらぬ父の一面を知ることに(続2024/03/15

nekomurice

3
*またいつもの「よほど」が始まった。よほどの事情があるんだろ、は父の十八番だった。2024/04/09

ERI

3
泣いた…おいおい泣いてしまった…パルチザンの娘として生まれたアリが、父が亡くなり葬儀に来た人々から知らなかった父の姿を知って行くのだけれど 3年前に亡くなった自分の父はアリの父とは育ちも思想も全く違うけれど 父を亡くした娘の気持ちは同じなんだな~気持ちが擦れ違ってしまったように思っていたけれど 「遺影の中の父が、仲良しだった幼い頃の父に戻ったようだった。生は死によって誰かの記憶の中によみがえるものだと。ということは、和解や赦しも又可能なのかもしれなかった。」正に今の自分も身近に優しかった父を感じている

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