内容説明
「米国の戦争に巻き込まれたくない」「軍事協力は最低限に留めたい」――こんな「日本だけの都合と願望」はもはや通用しない。同盟の抑止力を高め、平和を維持するには「日本的視点」を克服した「第三者的視点」を取り入れる必要がある。基地使用、事態対処から拡大抑止まで、意外な盲点から安全保障の課題を突く警鐘の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
お抹茶
6
川名晋史『在日米軍基地』を先に読むと理解が深まる。日米同盟は二国間同盟としてアメリカの他の同盟網から独立した存在ではなく,アメリカが極東防衛の中心となる米日・米韓同盟の一機能であるという現実が大事。日本政府は日米部隊間での指揮権の共有や移譲は考えていないという立場だが,一国平和主義や必要最小限論による日本的視点だけで決められるものではない。極東有事でのアメリカの軍事行動に対し,事前協議制度を通じて一線を画せるという日本的視点と,アメリカの軍事行動と日本の便宜供与の一体化という第三者的視点にも乖離がある。2024/05/31
バルジ
3
タイトル通り地政学的な軸となる「極東1905年体制」と日米同盟を5つの観点からその相互作用を捉えながら論ずる快著。日本の安全保障論議でとかく見失われがちな「第三者」の視点から日米同盟の死角を炙り出す。最近話題の在日米軍司令官の格上げや中距離ミサイル配備を巡る問題などを見る際に本書は前提となる知識を与えてくれる。日米同盟は米韓同盟と表裏一体。沖縄の「核抜き本土並み」はアメリカの核戦略と国際環境の変化の産物、等多様な論点がちりばめられ充実した読後感である。2024/06/10
Go Extreme
2
日本的視点:一国平和主義・必要最小限論 第三者的視点:現状を歴史的背景・地域全体のなかで俯瞰 地政学的競争の時代 日部案と条約:物と人との協力 アジア太平洋のハブ・アンド・スポークス型同盟網 極東1905年体制 1978・2015年ガイドライン策定 指揮権一体型体制・指揮権調整 武力行使との一体化論 事態:国際平和共同対処・極東有事・重要影響・存立機器・武力攻撃 現場ではない現場 紛争原因の根本的解決or妥協的和平 非核三原則と拡大抑止 日本的視点の帰結:巻き込まれ論・即時停戦論・核武装/核持ち込み論2024/05/22
TAMON BOLIVAR
1
日本の安全保障において重要な基盤となる日米同盟について、特に論争になりがちな「基地使用」、「部隊運用」、「事態対処」、「出口戦略」、「拡大抑止」の観点から第三者的視点で分析した本である。最大な特徴は、先の5つの視点を非核三原則や一国平和主義などの日本側の視点で語られがちなところ、日本の安全保障環境という第三者的視点からその妥当性を確認していることである。2024/05/02
-
- 電子書籍
- 妹はカノジョにできないのに 5 電撃文庫
-
- 電子書籍
- お兄ちゃんたちに気をつけて!【タテヨミ…
-
- 電子書籍
- 戦国期の室町幕府 講談社学術文庫
-
- 電子書籍
- はじめてだけど野獣でいい? 分冊版(5)
-
- 電子書籍
- 花嫁はもう一度恋をする[ホワイトハート…