内容説明
202年1月12日に長逝された半藤一利さんが生涯の最後まで訴え続けたこと。それは「歴史に学べ」ということでした。本書は半藤さんがものした数多くの文章や講演から、そのエッセンスを集約したものです。
明治人のリアリズム、大正期の石橋湛山が示す理想のパワー、昭和天皇の懊悩、そして宮崎駿の投げかける問い。昭和史研究の第一人者が残した軽妙にみえて重い言葉です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りんだりん
22
2021年に惜しまれつつ逝去した半藤一利さんのエッセイや講演内容を、破滅に向かう日本への警鐘ともいえる「人間であることをやめるな」のテーマのもと凝縮した一冊。特に日露戦争に関する考察は『坂の上の雲』を引きながら、司馬遼太郎さんと対峙しているかのごとく持ち前の批判精神と歴史を冷静に見る目をもって書かれており読み応えがある。半藤さんの本はいつ読んでも、もっと勉強しなきゃ、と思わせてくれる。★42024/04/03
べあべあ
7
秋山真之の有名な電信”天気晴朗なれども浪高し”って、実はそういう意味だったんか~!! 私は新しい歴史資料発見のニュースを聞くたび「司馬遼太郎先生にも見ていただきたかった」と思ってしまう癖があるのですが、「極秘明治三十七八年海戦史」はご存命中に読まれる機会があったのかギリギリでしょうか。資料がぱっぱと公開されていたら「坂の上の雲」もだいぶ変わっていたのかも。半藤さんが司馬さんの名分を称賛されているのが何だか嬉しかったです。お二人の明治感、昭和感は通じるところがある様に思います。2024/04/30
G-man
0
日本人は、歴史に学ぶことができるのだろうか?半藤先生のおっしゃることはもっともだと思うし、近現代の失敗の歴史から少しは学ぼうぜ、と思うけど、それを殆ど教えようとしない現在の学校制度はおかしいのでは??2024/05/03