講談社選書メチエ<br> 快読 ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』

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講談社選書メチエ
快読 ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』

  • 著者名:森一郎【著】
  • 価格 ¥2,915(本体¥2,650)
  • 講談社(2024/03発売)
  • ポイント 26pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065352335

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内容説明

誰もがその名を知っているフリードリヒ・ニーチェ(1844-1900年)の代表作『ツァラトゥストラはこう言った』(1883-85年)――哲学史上に燦然と輝く古典であるとともに、ドイツが生んだ屈指の文学作品でもあるこの大著は、しかし本書の著者が手がけた新訳(講談社学術文庫)でも500頁をはるかに超え、いわば峻厳な高山に喩えることができるでしょう。
若い頃にチャレンジしたけれど挫折した……、いつかは読んでみたいと思っているけれど分厚さにひるんでなかなか手にすることができずにいる……。読破するにはあまりにハードルが高い、でも「あらすじ」を知っただけでは何も分からない。そんなかたのために、「声に出して読める訳文」を掲げた画期的な新訳を完成させた著者が立ち上がりました。
目次をご覧になっていただければ一目瞭然、本書はこの大著を順番に、ていねいに読んでいきます。しかし、そこにあるのは、しかつめらしい「哲学読解」ではなく、時には現代の事象に触れながら講義形式で進められる「快読」の実践です。「神は死んだ」、「永遠回帰」、「力への意志」、「超人」……ニーチェの代名詞となっている数々の概念は、なぜ、どのようにして生み出され、展開されたのか? 文学作品であるがゆえに即座には受け取るのが難しいその道程を、一歩一歩、現在位置を確かめながら前進し、はるか高みにまなざしを向けながら高峰を目指していく。そんな親切で愉しいガイド役と歩む至高の経験を本書は実現しています。
山にこもっていたツァラトゥストラは、なぜ下界に降りて自説を語り始めたのか? それは私たちにとって、どんな意味をもっているのか? コロナ禍の中で行われた講義を元にした本書は、「今だからこそ」読みたい古典を、「今でなければ」読めない古典として紹介する、他に類を見ない最良のガイドブックです。
いざ、高峰を目指して!

[本書の内容]
まえおき――「神は死んだ」から始まる物語

I 第一部を読む――超人思想と徳
II 第二部を読む――力への意志説とペシミズム
III 第三部を読む――永遠回帰思想と孤独
IV 第四部を読む――同情問題と子どもたち

あとがき――コロナ禍でのニーチェ講義

目次

まえおき――「神は死んだ」から始まる物語
I 第一部を読む――超人思想と徳
1 「ツァラトゥストラの序説」
2 「三段階の変身」と「徳の講座」
3 「背後世界論者」と「肉体の軽蔑者」
4 「情熱にひそむ喜びと苦しみ」と「青ざめた犯罪者」
5 「読むことと書くこと」と「山に立つ樹」
6 「戦争と戦士」と「新しい偶像」
7 「市場のハエ」と「純潔」
8 「友」と「千の目標と一つの目標」
9 「隣人愛」と「創造者の道」
10 「老いた女と若い女」、「毒ヘビにかまれる」、「子どもと結婚」
11 「死の説教者」と「自由な死」
12 「惜しみなく与える徳」
II 第二部を読む――力への意志説とペシミズム
1 「鏡をもった子ども」と「至福の島にて」
2 「同情者たち」と「司祭たち」
3 「有徳者たち」と「汚い奴ら」
4 「毒ぐもタランチュラ」と「有名な識者たち」
5 「夜の歌」と「舞踏の歌」
6 「墓の歌」と「自己克服」
7 「崇高な人」と「教養の国」
8 「純粋無垢の認識」と「学者」
9 「詩人」と「大いなる出来事」
10 「占い師」と「救い」
11 「賢い世渡り法」と「最も静かな時」
III 第三部を読む――永遠回帰思想と孤独
1 「放浪者」と「幻影と謎」
2 「不本意な幸福」と「日の出前」
3 「卑小にする徳」と「オリーブ山にて」
4 「通り過ぎるということ」と「離反した者たち」
5 「帰郷」
6 「三つの悪」
7 「重さの地霊」
8 「新旧の石板」
9 「快復しつつある人」
10 「大いなるあこがれ」、「もう一つの舞踏の歌」、「七つの封印」
IV 第四部を読む――同情問題と子どもたち
1 「蜜の捧げ物」と「助けを求めて叫ぶ声」
2 「王たちとの対話」、「ヒル」、「魔術師」
3 「失業」
4 「最も醜い人間」
5 「進んで乞食になった人」、「影」、「正午」
6 「歓迎のあいさつ」と「晩餐」
7 「高等な人間」
8 「憂鬱の歌」、「学問」、「砂漠の娘たちのもとで」
9 「目覚め」と「ロバ祭り」
10 「夜の放浪者の歌」と「しるし」
あとがき――コロナ禍でのニーチェ講義

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

40
読まれていない理由は本体と同じくらい分厚いからだろう。実際に本書を読んでみると、急がば回れ、本体の進み具合を促進できて、かつ理解が深まる可能性は高い。著者の語り口は平易で、講義形式の「です、ます」調なので、ストレスはそこまで無いだろう。ニーチェの道徳批判は現在のリベラル批判に通じるところがあるため、アカデミックには危うい議論になることがある。著者は危うい箇所でも率直に論じていて結構、熱い。これだけのページ数を共に歩んでいくと、ニーチェよりも、著者に興味を持つ読者も少なくないのではないか。2025/04/26

yuki

3
いつかは「ツァラトゥストラはこう言った」を読みたいと思うがハードルが高いため本書を購入。難解な内容が非常に分かりやすく解説されておりとても読みやすく面白かった。「永遠回帰」の解釈も納得性が高く、「ツァラトゥストラ…」を読んだ気になってしまう。2024/05/26

kun_maa(หมา)

2
著者の東北大での講義ノートを元にした「ツァラトゥストラはこう言った」の詳細な解説本。丁寧でわかりやすいのだけど「ツァラトゥストラ…」自体が難解なので何回も寝落ちして読み終わるのに時間がかかった(笑) ともあれ、「ツァラトゥストラはこう言った」というニーチェの大いなる妄想の書に対する絶好のガイドブック。2025/01/17

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