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内容説明
「この草子、目に見え心に思ふ事を」。栄華を誇った中宮定子を支えた女房・清少納言は、なぜ膨大な言葉を書き残さなければいけなかったのか……。痛快な批評が笑いや哀感と同居する、平安朝文学を代表する随筆。ユニークな視点と鋭く繊細なまなざしですくい取った世界観を、歯切れ良く瑞々しい新訳で。「ここにもあった、いとをかし」。解説、年譜のほかに、位階、装束、牛車、建物などの図版資料を含む、宮廷生活ガイド付き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真琴
10
“春はあけぼの”で始まる『枕草子』は、清少納言が定子サロンで見て感じ考えた膨大な随筆集。政治的なしがらみもあり華々しい時は長くはなかったけれど、清少納言の「いとおかし」が詰まっていた。(百合要素は微笑ましい)。読みやすい訳だと思う。 2024/03/28
バーニング
2
教科書に出るのは本当に冒頭で、全体はそれなりのボリュームがあるが文章のテンポが良くて一日足らずのうちに読み終わった。宮さまこと定子中宮が本当に生き生きと書かれており、定子が清少納言に「私のこと、好き?」って聞く場面なんか完全に百合じゃんよしかも相思相愛タイプのやつ!!!と思いました。直筆は残ってないけど1000年近く日本人が書き写して読んできた理由がよくわかる。あと本書自体が政治的な理由で書かれたのではとする解説も面白い。源氏も政治的な理由があって書かれたわけだし、政治と文学の結託があった時代の象徴。2024/03/18
Seele
1
清少納言が、その美意識と知性に心酔する中宮・定子のもと、宮中で垣間見たキラキラとした思い出の日々。彼女のあふれ出る感性を、同時代の紫式部は「自慢たらたらで賢いアピールする」いけ好かない人と評するけれど、定子亡き後の翳りを見せないところこそ、彼女の美意識、はては気概か。読みやすい現代文と、要点を得た訳者の解説、あとがき付き。2024/04/15