内容説明
1964年の東海道新幹線開業以来、新幹線は我が国の鉄道の代名詞ともいえる存在だ。その高速性や大量輸送のシステムは日本各地の経済その他に大きなインパクトをもたらした。玄関口である「新幹線駅」はたびたび政治の道具にされるなど、数々のドラマに彩られてきた。本書は北陸新幹線・金沢~敦賀開業を契機として、それまでに開業したすべての新幹線駅を下車。現況や周辺の風景などのほか、その歴史なども緻密な調査のうえ紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
お抹茶
1
北陸新幹線の新駅も取材。政治家の影がちらつく駅もあるが,真相は不明と割り切る。田園地帯に現れる駅や,存在意義が疑わしい駅も少なくない。東京駅は旅の駅で,品川駅は出張の駅というように,同じ東京のターミナルでも性質は全く違う。岐阜羽島駅は大野伴睦の政治力によるものという単純な経緯ではない。新鳥栖~久留米の所要時間は5分だが,佐賀・長崎方面の分岐の新鳥栖と,筑後地方中心都市の久留米はどちらも必要不可欠。奥津軽いまべつ駅は周囲に集落のない秘境駅で一日の乗車人員は三十人前後。ちょっとした旅気分を味わえる。2024/04/20