内容説明
いじわるをされて心がモヤモヤしているとき、突然あらわれたのは、おじぞうさんとタヌキのおきものたち。“友だち同士のマナー”を守らない、ちょっぴりムカつく相手の名前をとなえると、自分の代わりにこらしめてくれるおじぞうさんらしい。――その名も「こらしめじぞう」。一度だけならたいしたことないよね……、そんなかるい気持ちで名前をとなえてしまった主人公たちの望みどおり、いじわるなやつをこらしめてくれたけど……あれ? ちょ、ちょっと待って! そんなつもりじゃ……! あなたも名前をとなえられないように気をつけて……。多数の受賞歴を誇る村上しいこの、こわくておもしろい新シリーズ短編集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
70
この世の不埒なやつを懲らしめる妖怪じぞう。願いを聞きとどけると、手下のマナー違反に厳しいたぬきたちがその相手を懲らしめてくれるのだが…。最初のお話はどこかほのぼのしてたけど、他の話は容赦なかった。特に二話目😱軽部武宏さんの不気味可愛い絵がお話にぴったりポコ。銭天堂シリーズが好きな人にはおすすめ。2023/12/19
☆よいこ
63
児童書。ブラック▽”このじぞうは世の中のふらちな人間をこらしめるために、作られたじぞうなり”「そのつみけっしてゆるすまい。おいらが、こらしめるでやんス」妖怪こらしめじぞうは、手下のマナー妖怪を使ってマナーの悪い人間をこらしめる[妖怪わらわら]乱暴な同級生、横暴な姉[妖怪くっちゃう]友達を友達と思わない、いじめっこ[妖怪すてまる]タバコぽい捨て▽教訓的そうで道徳的でない感じがします。怖い話…というか狂気みブラック児童書。妖怪は不条理なものだから「むかつくけど、殺してほしいほどでもない」は理解できないよう2024/02/27
たまきら
46
えっそこまでする?と少し引いたあとで、でも、昔話って結構残酷だったよなあ…と。ここまで言わないとわからない、そういう場合もあるのかもしれない。でも…人を呪わば穴二つ、じゃない?ホント、軽部さんの絵はコワスギ。2024/01/10
遠い日
11
こらしめ地蔵は容赦ない。全くもって容赦ない。マナー違反は絶対に許さない。この世の不埒な人間を懲らしめるために作られた地蔵の姿をした妖怪だ。一旦願いを口にすれば、取り消すことはできず、やっつけてほしいと願われた者は徹底的に排除される。救いがない。ここで芽生える、正しいことは果たして絶対か⁉︎という疑問。若い頃にはどうにかなってしまえばいいのに!という大嫌いな奴がいましたが(上司とか同僚とか……)、この頃ではそこまで嫌いになる人はいません。あ、いや、いる‼︎たったひとりだけ。2023/11/23
みよちゃん
7
懲らしめたけれど、後味が悪くなる、地蔵の顔が怖い。2024/01/28