内容説明
一九五九年冷戦下のソ連・ウラル山脈で起きた遭難事故。登山チーム9名はテントから離れた場所で凄惨な死に様で発見された。米国人ドキュメンタリー作家の執拗な取材から明らかになった驚くべき結末とは…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
jam
75
1959年1月、冷戦下のソ連、極寒のウラル山脈で大学生と指導員の男性7人女性2人が消息を絶ち、その後捜索隊は凄惨な遺体を発見した。このいわゆるディアトロフ峠事件は、彼らが矛盾脱衣と言われる状態に陥っただけではなく、頭蓋や胸骨の骨折、眼球や舌が喪われていたり放射能が検出されるなど不可解なことが多かったという。2020年、ロシア連邦は雪崩が原因との見解を出したが、作品はその謎に対峙し一定の結論付けをしていて興味深かった。この先、様ざまな仮説が出ても真の解明は永遠に無い。「死に山」と呼ばれるに相応しく。2024/07/16
Kanonlicht
55
1959年にソ連のウラル山脈の雪原で学生トレッキンググループの一行が不審死を遂げたディアトロフ峠事件。ドキュメンタリー映画監督である著者が、中途離脱したため唯一の生存者となったメンバーを含む関係者への取材と、真冬の事件現場に自ら足を運び得た情報をもとに記したノンフィクション。死地に至るまでの一行の道程、行方不明となった彼らの捜索と遺体発見後の捜査、そして著者による取材と、3つの時系列が平行して進む構成が見事。ラストに描かれる事件当日の再現は、まさにこれが真相だと信じたくなるリアリティがある。2024/02/20
金吾
46
◎読み応えある一冊です。本の結論が事実なのかはわからないですが、一つのストーリーとして納得できます。ラストチャンスとも言える50年以上後に事件を追っていってます。遭難者たちの日記や写真を通じて彼らの人間が伝わる感じがし、哀しさが増しました。2024/11/08
tosca
35
1959年ソ連時代のウラル山脈で起きた謎すぎる「ディアトロフ峠事件」。当局は「未知の不可抗力によって死亡」とし調査を終了し、80年代になるまで情報が公開されなかったために、現代まで明るみにならなかった事件なので興味深い。陰謀説や宇宙人説やオカルト的な仮説も様々あったようだが、筆者は2010年から取材をスタートし、1959年当時のグループの行動、捜索の状況、関係者へのインタビューなど、丁寧に事件を追う。9名の遭難者と生き残った1名(体調不良で途中で引き返した)の若者達の顔写真と、事故前の楽しげな様子も悲しい2024/10/15
GM職員
30
アメリカのドキュメンタリー映像作家が、大学生登山グループ9名が犠牲となった『ディアトロフ峠』の真相に迫ろうとするノンフィクション。 有名な謎だというのに、実は読メで単行本の感想を見るまで知らなかったので、とても新鮮に楽しんだ。 もはや何が起こったのか知ることはできない過去の出来事に興味を抱いた以上、現地に行って体験してみるという姿勢は好ましい。ロシア語資料の読み込みが足りなかったのはお粗末だが(苦笑)。 これが真相だと言い切ることはできないけど、説得力を持った仮説のひとつ─とは言えるんじゃないかな。2024/02/25
-
- 電子書籍
- 守護神は攻め上手【タテヨミ】第93話 …
-
- 電子書籍
- 既婚ステータスだけいただきます!【第4…
-
- 電子書籍
- KDPではじめる セルフ・パブリッシング
-
- 電子書籍
- ギルドのチートな受付嬢(コミック) 分…
-
- 電子書籍
- 小さな会社の儲かる整頓