内容説明
「推し」に人生を捧げること。
その素晴らしい幸福の背後にある搾取の闇や、理性を失い暴走が加速していく衝撃的なラストに共感&恐怖が止まらない!
なにゅなにゅオタクの私、クレーンゲームオタクの森本さん、髪オタク美容師の品田。その愛は一方通行だったはずなのに、気がつけば歪んだトライアングルから抜け出せなくなっていて……。
執着の暴走に恐怖する、衝撃の群像新人文学賞受賞第1作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
102
「もぬけの考察」が面白かったので手にとってみた。推し活の闇を描いた物語。会社ではやり手の轟木さんの裏の顔。怖かったー。主人公を夢中にさせる「なにゅなにゅ」、実物を見てみたい。こういう物語、好き。2024/03/30
おしゃべりメガネ
101
北海道出身作家さんで、前作が『群像新人文学賞』を受賞したのを機に手にとりました。前作もなかなか不思議な作品でしたが、本作はよりいっそう不思議な世界観で、これはなかなか手強い作家さんだなと。ゲーセンのクレーンゲームで、決まったキャラのグッズを収集するのに明け暮れる「三川」と「森本」。クレーンゲームの達人「森本」は「三川」の欲しがるグッズを獲り、見返りに「三川」のキレイな髪を撫でるのが決まりに。そんな二人のやりとりに自分的にはほっこり感は伝わらず、むしろちょっとした嫌悪感が残ってしまい、合わない作品でした。2024/03/23
aquamarine
71
「もぬけの考察」で独特な世界観を突き付けてくれた著者の2冊目。カプセルトイの企画部に勤めながらなにゅなにゅというキャラクターの推し活に嵌まる女性。自分ではなかなか取れないゲームの景品になったなにゅなにゅをクレーンゲームオタクの森本にとってもらい、代わりに髪をなでさせる。その髪を作り上げているのは美容師の品田…。一人の推し活の物語が歪んだ執着と人間関係を描き出す。身近な人間の行動に震えあがり、一気に展開するラストに息を詰めた。ミステリが好きで執着する私も同じだろうか。読後何とも言えないざらついたものが残る。2024/03/31
道楽モン
62
他愛もないキャラクターグッズ付きのアイテムを収集することは、自らの意志では止められない強迫観念への第一歩なのだろう。単純な欲望はエスカレートし、容易に自己規範での義務となり、一見すると平凡な市井の一員である本人の生活を徐々に狂気の領域に誘うものだ。日常での価値観は、推しグッズ収集の前では屁でもない存在となる。本作品はコレクターとしては初級から中級といったところ。より振り切った人々は現実にゴロゴロいる。βエンドルフィンの分泌こそがハイであり、その境地に達するための対価としての痛みが本作には見当たらず残念。2024/07/02
ゆのん
62
主人公はカプセルトイの会社で働く女性で『なにゅなにゅ』というキャラクターが好きでグッズのコレクター。好きな物があり、新しいグッズの発売を楽しみにする気持ちはとても理解出来る。楽しみがあると日々の生活にもハリが出る。そんな彼女のグッズ収集を助ける森本と、彼女がいつも指名する美容師・品田、会社の先輩・轟木。それぞれに様々な理由で『癖』とも言える、ちょっと常軌を逸する様な『好きなもの』がある。最初は笑いながら読んでいたが徐々に『あれ?』と思いはじめ、スルー出来ない怖さを感じる。意味深なラストも良かった。2024/03/03
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