新潮文庫<br> 砂の女(新潮文庫)

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新潮文庫
砂の女(新潮文庫)

  • 著者名:安部公房【著】
  • 価格 ¥781(本体¥710)
  • 新潮社(2024/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101121154

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内容説明

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める村の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のうちに、人間存在の極限の姿を追求した長編。20数ヶ国語に翻訳されている。読売文学賞受賞作。(解説・ドナルド・キーン)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

1220
再読。閉じ込められた砂をひたすらに掻き出す作業―安部版シジフォスといった不条理の物語。ただし、最後はこれを受け入れるというきわめて東洋的な解決に終わる。砂に埋もれる焦燥が、細部に至るまでの実に緻密な描写力に支えられ、圧倒的なリアリティを現出させる。比喩の巧みさも卓越。2012/03/28

風眠

841
高校生の頃はじめて読んでから、もうこれが何度目の再読になるだろう。何度読んでも圧倒的に凄まじい。砂に埋もれた集落、一般社会から切り離された砂の世界に絡め取られてしまった男、脱出を夢想し毎日砂と格闘する。そして一緒に暮らすのは、砂しか知らない孤独で無知な女。異質なのに人を惹きつけてやまない魅力的な情景描写と、不気味で従順な女のエロさが何とも印象的。冒頭の「罰がなければ、逃げる楽しみもない」という一文。「罰」ってなんだろうって、ずっとずっと考え続けている。2012/11/18

パトラッシュ

790
舞台化を観に行くので云十年ぶりに再読した。暑苦しい真夏に読むと汗まみれの肌に熱い砂がまとわりつくようで不快になるが、砂丘のあばら家に女と共に閉じ込められた主人公がコロナ禍で外出自粛を強要される自分たちと重なる。感染が危険だと日々言い立てられ、いつの間にか自由を奪われた状態が当然で心地よくすら感じられる世界。「人というものは馴れる生き物」(ドストエフスキー)なので、蟻地獄に落ちて都会暮らしの常識を奪われた男も異世界での生活が心地よくなってしまったようだ。そんな人の弱さ愚かさこそ著者が描こうとしたものなのか。2021/08/28

抹茶モナカ

760
寓話的な作品。罰がなければ、人間は逃げる喜びすら、感じないのか。理数系よりの知識、思考を展開しながらも、語られる言葉は文学の言葉だ。いろいろな読み方が許される文学作品で、労働について、僕の場合は考えた。2014/01/11

遥かなる想い

681
安部公房は密閉された空間を描くのが得意であるが、本書は突然女に閉じ込められた男が脱出を図ってもがく様を描く。世界20数ヶ国語に翻訳紹介された名作だというので、読み始めたが、正直普通の本とは全く違う世界に困惑をした。我々が何気なく生きていく日常とは何ともろいものか、サスペンス的な雰囲気で 読者を虜にする本だと思う。うまく説明できないが、「砂の女」に登場する女がひどく世俗的で汚れていたイメージがあって、みだらに思えた記憶がある。2010/06/20

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