筑摩選書<br> 漫画家が見た 百年前の西洋 ――近藤浩一路『異国膝栗毛』の洋行

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筑摩選書
漫画家が見た 百年前の西洋 ――近藤浩一路『異国膝栗毛』の洋行

  • 著者名:和田博文【著者】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 筑摩書房(2024/02発売)
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  • ISBN:9784480017925

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内容説明

近藤浩一路は藤田嗣治・岡本一平と東京美術学校の同級生。油彩、水墨画を描く一方、漫画記者として活躍した。そんな彼が画家友達とともに1920年代の西洋を初めて訪れる。欧州航路をマルセイユへ、そして芸術の都パリへ。マルク暴落のドイツ、闘牛のスペイン、イタリアでは最先端の未来派の酒場を訪れ、婦人参政権運動が盛んなイギリスにも足を延ばす。異国を訪れる旅が「海外旅行」ではなく「洋行」と呼ばれた時代の異文化体験はどのようなものだったのか? 百年後の私たちの旅と何が違って何が同じなのだろう? 【目次】プロローグ 戦争・パンデミックの終焉と、笑いの紀行文学/第1章 洋服洋食嫌いの、洋行下稽古/第2章 富士屋ホテルで「外遊予習」、東京漫画会の『東海道漫画紀行』/第3章 ツーリズム時代の幕開けと、帝国の郵船の寄港地/第4章 パリで藤田嗣治に、一〇年振りに再会する/第5章 ストラスブールから、敗戦で疲弊したドイツへ/第6章 闘牛に燃えるスペイン、ルネサンス美術のイタリア/第7章 大英帝国のロンドンからパリ、待ち遠しい日本へ/あとがき/『異国膝栗毛』関係年表(1908~1928年)/本書から始まる関連文献10冊の読書案内

目次

プロローグ 戦争・パンデミックの終焉と、笑いの紀行文学/第1章 洋服洋食嫌いの、洋行下稽古/東京美術学校で藤田嗣治や高村光太郎と同級だった/洋服の着初めでネクタイを結べない/靴を履いて実感した日本の道路事情の悪さ/『洋食のおけいこ』VS『食パン亡国論』/洋食嫌いの家庭で、パン食の稽古を/いよいよ名古屋ホテルで「外遊予習」をスタートする/ハイカラに急変した近藤浩一路/洋行前に墓参すると、観音像や如意を餞別として贈られた/写真の練習だけは一年前から着手していた/第2章 富士屋ホテルで「外遊予習」、東京漫画会の『東海道漫画紀行』/赤甕会同人の富士屋ホテルへの送別旅行で、二回目の「外遊予習」/メニューの「Sawara」は、フランス語? 英語? それともドイツ語?/東京漫画会の東海道五十三次漫画旅行と、江の島への送別旅行/「洋行の神様」の案内で、横浜の領事館を巡る/洋行前の大騒動──一緒に行けないなら死んでしまうと、小寺健吉が駄々をこねる/特別扱いされる洋行──訪問客・送別会・見送り/第3章 ツーリズム時代の幕開けと、帝国の郵船の寄港地/欧州航路の三島丸で、洋風生活事始め/日本から遠く離れて──玄界灘の船酔いとデッキゴルフ/上海I──初めての海外で味わう「恐怖心」と「好奇心」/上海II──「自由の世界」「無警察無秩序の状態」/香港I──イギリス直轄植民地の交通事情/香港II──安全な船から眺める夜景の美しさ/シンガポールI──日露戦争以降に強くなる「一等国民」意識/シンガポールII──椰子の水、アイスクリーム、デッキ・パッセンジャー/マラッカ・ペナン・コロンボ──海峡植民地から仏教寺院へ/インド洋・紅海を経てようやくスエズ運河/地中海の航海中も「アン、ダー、トロワ」/第4章 パリで藤田嗣治に、一〇年振りに再会する/マルセイユI──西洋人は「人間以外の別種の獣類」?/マルセイユII──フランス語は「七九」が通じて得意顔、英語は珍プン漢プンで逃げ出した/パリ行きの列車で、漫画の似顔絵を描いて大人気/パリ生活事始め──案内人への感謝と、「巴里通」への反発/地下鉄に乗れた!──パリの街へ恐る恐る/藤田嗣治のアトリエに、二つの拳を握りしめて乗り込む/フランス人女性への拒否感──近藤浩一路の規範的女性像/街歩きは危険と隣り合わせ?──一人で歩いてみたくなる/実は「洋食嫌ひ」ではなかった──フランス料理を食べてみて/オペラ座の正面の車道を横断するのは命がけ──半端ではない自動車数/第5章 ストラスブールから敗戦で疲弊したドイツへ/パリからドイツとの国境に近いストラスブールへ/有名なアルザス料理店でビーフステーキ?/列車で移動するときにトラブルは多発する/ミュンヘンのホーフブロイハウスでビールを堪能する/マルク暴落のドイツで、日本人も購買病/洋行者は「相場師」となり、ベルリンで「貴族」のような生活をしている/自動的に昇降するエレベーター、ぴったりと横着けできないエレベーター/ドレスデンでオペラのオーケストラを楽しむ/ベルリンで表現主義の流行を目の当たりにする/「税関遁れの汽車」に乗り、耳を澄まし、息を殺して/第6章 闘牛のスペイン、ルネサンス美術のイタリア/南京虫退治のために、パリの大寺君の部屋は酸っぱくなっていた/セーヌ河の船の「銭湯」は、混濁した河水を使っている?/スペイン料理はオリーブオイルが駄目だった/闘牛のプロセスと、「酸鼻の極」に目を閉じる/牡牛の死体は吊るされてステーキになる/ヴェネツィアは不愉快な街──「不潔」、南京虫、「お賽銭の強請」/豪華な駅弁、フィレンツェでフラ・アンジェリコに大感激/ローマの領事館で紙幣をつかませると、事務の進捗が敏速になった/未来派の酒場で「不思議」「破壊的」「出鱈目」を味わい、敬意を払う/ジャニコロの丘の麓の街で、「罵詈雑言」を浴びせられる/第7章 大英帝国のロンドンからパリ、待ち遠しい日本へ/ロンドンの一流ホテルのレストランは、ドレスコードが厳しかった/ロンドンは女中も「新しい女」?──時間外労働はせず、日曜は飲酒/美しい「共同便所」で、座禅を組んだり休憩したり/鏡としてのロダン──高村光太郎と藤田嗣治の間に横たわる大きな懸隔/あとがき/『異国膝栗毛』関係年表(1908~1928年)/本書から始まる関連文献10冊の読書案内

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみ★りとる

4
「洋行の下稽古」として、洋服を着たりパン食の練習をしたり西洋風のホテルに泊まったり…現代だと宇宙旅行に行くための訓練みたいな感じかな。2024/07/29

takao

4
ふむ2024/04/25

しまちゃん

1
近藤浩一路は、藤田嗣治・岡本一平と東京美術学校の同級生であり、油彩・水墨画を描く一方、漫画記者として活躍した。1920年代の西洋を初めて訪れるにあたり、事前に要綱下稽古を日本でする様子から西洋に訪れての面白おかしいエピソードをその漫画とともに書かれています。近藤は、パリを起点として、ドイツ・スペイン・イタリア・イギリスにも足を伸ばした。横浜を出港して、神戸と門司に寄港して、欧州航路へ・・・。長い船旅の経由地でのエピソードと欧州に到着してからのエピソード、珍道中である。2024/06/30

お抹茶

1
1922~1923年の洋行と,名古屋ホテルと富士屋ホテルでの外遊予習を辿る。上海や香港までは新鮮で刺激的だったが,そこからヨーロッパに着くまでは退屈で暑くてうんざり。第一次世界大戦後にマルクの相場は落ち続け,ドイツでは日本人は大資本家のように買い物に夢中になった。フランスもイギリスもイタリアも治安はあまりよくなく,現代と比べればあまりあか抜けていない印象を受ける。文化の違いに驚きつつ,言葉が通じないことを恐れつつ,それでも楽しんでいる様子が伝わる。2024/04/16

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