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内容説明
中国思想が黄金期をむかえた春秋・戦国時代。すぐれた思想家たちが思索を重ね、学派をつくり、互いに論争して理論を磨き上げた。人はいかに生きるべきか。社会や国家はどのようにあるべきか。人間とは、世界とは、論理とはいったい何であるのか――。 儒家、墨家、道家、兵家、法家から、名家、陰陽家まで。絶え間ない戦乱と侵略の時代が生んだ百花繚乱の思想を、第一人者が明快な図解とともに読み解く。現代日本人のための中国思想入門。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
17
出土文献からの成果も豊富に取り入れた諸子百家入門。今回の文庫版では名家、陰陽家など章節新たに追加し、その後発見された出土文献や新たな研究の成果を参照して追記がなされている。儒家や孔子に関する理解が浅野流なので、その点だけは個人的に支持できないが、それ以外はおおむねまとまった概説となっている。欲を言えばね雑家すなわち諸子の成果を総合した『呂氏春秋』の章もあれば良かった。2024/03/03
新天地
2
麻の如く乱れた群雄割拠の中華世界で生き残るため、或いは立身出世のため、さらには天下統一のため乱立した思想や学問にロマンを求めていたため非常に興味があり読むが、著者は孔子の仕官できなかった怨念は後の儒家に大きな影響を与えているとか、名家は詭弁などなかなか当りが強く、他に誤った学説やイメージにもかなり手厳しい。なぜそれは誤った学説なのか、なぜその思想や学派は歴史の中で廃れたのか等を上博楚簡や郭店楚簡などの新資料により論理的に詰めていくのが面白かった。ただロマンがロマンのままでいることはできなくそこは寂しい。2024/04/08