内容説明
「知ってる? 川上さん、親に殺されたらしいよ」僕が通う小学校で広がった、少女の死の噂話。川上さんは父親から虐待を受けていたが、協力を得られないまま転校したと聞いていた。しかも彼女の怨念が図書室の「呪いの本」にこめられたという怪談にまで発展する。日常のさまざまな謎を解決し、僕も「神さま」と尊敬する水谷くんは、噂の真相と呪いの正体に迫るが……。ラスト世界が反転する、せつないミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
90
何でも推理して解決してくれる水谷くん。小学生であの推理力は凄い。私も友達になりたいです。表紙の絵の女の子はあの子なのかと読了後わかりました。芦沢作品好きです。2024/09/24
のり
80
小学校の同級生「水谷」君は、神さまと呼ばれている。困った時に頼りになるスーパー小学生。様々な謎を解決していく様は「コナン」君みたいだ。これだけの洞察力を持つに至ったのも気になるところだ。この先の彼等の成長が楽しみだ。2024/08/18
よっち
48
小学生の佐土原が神様と尊敬する、冷静で洞察力に優れ「神さま」と呼ばれる同級生・水谷くんが、周囲で起きる事件を次々と解決してゆく連作短編集。おじいちゃんが突然具合が悪くなった理由から、絵が上手い川上さんが苦しむ父親のこと、運動会の騎馬戦で勝つための秘策、転校した川上さんによって図書室の呪いの本に込められた怨念、転校した同級生のいなくなった弟がいた場所。難問にも次々と答えを見出してゆく水谷くんの事件解決はなかなか鮮やかでしたけど、最後には周囲から神さまと呼ばれる彼が抱える苦悩も垣間見えて切なくなりましたね…。2024/03/13
akiᵕ̈
38
小5にして何が起きても冷静沈着、鋭い洞察力・観察眼を持って問題を解決に導き「神さま」とまで呼ばれている水谷くん。その水谷くんを頼り切っている僕とで、日常の目の前に起こってくる問題を解決していく、第一話の春から春夏秋冬一巡してまた春に戻るエピローグ5話からなる連作短編。1話目はライトなミステリで始まっているが、2話目からは絵を描くことが好きで他生徒と関わらない女子生徒の川上さんから父親のことで相談されたことを軸に話しは展開していくが、やっぱり小5が導き出す答えではない感がちょっぴり違和感でしっくりこぬ読後。2024/02/23
カブ
36
「知ってる?川上さん、父親に殺されたらしいよ」本の帯に惹かれ手に取る。日常の困ったことや、わからないことを解決してくれる小学生の水谷くんは「神さま」と呼ばれている。初めはソフトな感じの話が、児童虐待や怪談話になって少し違う景色となる。小学生にはちょっと荷が重いよなぁ~と思いながらも、最後はせつない。2024/02/28