日本経済新聞出版<br> TRILLIONS(トリリオンズ) [物語]インデックス・ファンド革命

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日本経済新聞出版
TRILLIONS(トリリオンズ) [物語]インデックス・ファンド革命

  • ISBN:9784296115112

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内容説明

従来の常識を覆し、ウォール街の蔑視に耐えてインデックス・ファンド革命を起こし、投資の世界に創造的破壊を巻き起こした異端者たちの驚くべき実話をフィナンシャル・タイムズ紙の記者が描いたノンフィクション大作。

50年前、世界最高の投資家でさえほとんどは長期的には市場に勝てないという異端の考えで一致した一団が、金融業界の片隅で資産運用版のマンハッタン計画をひっそりとスタートさせた。

奇才の経済学者ユージーン・ファーマ、業界の重鎮ジャック・ボーグル、コンピューターおたくのジョン・マクォーン、第二次世界大戦時の元潜水艦乗組員ネイサン・モストら、多様なバックグランドを持つ一団は、市場と連動する投資商品インデックス・ファンドを開発、想像を超える成功を収めた。パッシブ投資の規模は現在、アメリカの国内総生産を上回る26兆ドル以上となり、市場や金融、資本主義そのものの姿を変える力をもつ。

一方で、投資業界の巨人ブラックロック、バンガード、ステート・ストリートの3社が牛耳るインデックス・ファンドやETFは、その膨れ上がる重みで市場を不安定にし、投資の世界を破壊しているとさえ批判されている。これからインデックス・ファンドは、そして金融の世界はどう変わるのか?

本書は、世界の金融の姿を大きく変えたインデックス・ファンドの秘められた鮮烈な歴史を明らかにする。また、インデックス・ファンド革命を担った人間群像の物語を臨場感あふれる筆致で描き出す。現代の金融を理解したい人々にとって必読といえる魅力的な物語。

目次

本書に登場する人物

第1章 バフェットの賭け

第2章 ゴッドファーザー

第3章 偶然の悪魔を手なずける

第4章 クオンティファイアーズ

第5章 非正統派の砦

第6章 ハリネズミ

第7章 ボーグルのバカげた事業

第8章 バンガードの隆盛

第9章 ニュー・ディメンション

第10章 バイオニックベータ

第11章 スパイダーの誕生

第12章 WFIA2・0

第13章 ラリーの攻めの一手

第14章 世紀の買収

第15章 パーディーのショットガン

第16章 資本の新たな支配者たち

第17章 これが水だ

第18章  企業界の新たな大権力者たち

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よしたけ

51
インデックスファンドの歴史を辿る。様々な登場人物が出てくるが、中心はバンガード創業者のジャックボーグルで、足元20年に目を向けるとブラックロック創業者のラリーフィンク。ボーグルがインデックスファンドのETF化には反対だった(売却を容易)は意外。インデックス影の面にも目を向け、インデックスファンド売買が構成銘柄の株価に影響を与えていること、指数管理会社が発言力を持つ様になったこと、パッシブなファンドが大株主となることで企業統治が低下していること、様々なインデックスが乱立していること、など非常に興味深かった。2024/08/27

TATA

27
NISA で盛り上がるインデックス投資。この投資手法がいかに多くの人間の苦闘の上に成り立つのかということを教えてくれる一冊。ただ単なるプロジェクトXではなくて、そこは大手金融機関社内外での暗闘もアレコレと。盛者必衰とはまさにこのこと。それだけ利権に溢れた社会なのだろうなと。2025/01/31

Masaaki Kawai

10
インデックス投資誕生から現在までをまとめた本。読み応えありました。 短期的な利益も投資にどっぷりも求めてへんから、オルカンでええやろ思うてたけど、インデックスが広まり過ぎると、弊害もある。確かに、指数に連動する受け身な以上、その指数を動かす人もいてくれなあかん。自分のためだけじゃなくて、全体のことも考えなあかんね。ということで、少しはアクティブな商品も取り入れようと思います。2024/07/11

turtle

7
オルカンという名称がかなり浸透し、日本でもインデックスファンドに投資する人が増えてきている今だからこそ登場したような本書は広くその歴史を膨大な取材でカバーした労作。インデックスファンドが強くなり、ボーグルが「 このようか支配力の集中が国益に資するとは思えない」という発言を亡くなる少し前に残しているという指摘は大切な問題提起だと思います。とはいえ、インデックスファンドに勝るビークルが見当たらないのが現実のよう。2024/06/30

tenorsox

6
主な内容は①インデックスファンド誕生までの苦労(そもそもニーズがないのではという先入観、商品開発自体の難しさ等)②アクティブ運用に対する優位性③存在感を増すとともに激しくなった開発競争とM&A合戦④デカくなり過ぎた故の諸問題の4つ。最初の2つはある程度想定された内容&3つ目がやや冗長でもういいかなと思ったら最後に興味深い考察がたくさんあった(大量の株式が各企業の状況に関係なく投資判断される、指数への採用が目的化してしまう、議決権行使の方針が政治活動に繋がりかねない、それを左右両側から突き上げられる等々)。2024/12/05

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