内容説明
第二次世界大戦下の「絶滅収容所」アウシュヴィッツで、生き延びるため同胞に鑑識番号を刺青し名前を奪う役目を引き受けたユダヤ人の男。彼はある日、その列に並んでいた女性に恋をした。「必ず生きて、この地獄を出よう」と心を決め、あまりに残酷な状況下で自らもあらゆる非人間性に直面しながら、その中でささやかな人間性と尊厳を守り抜くために重ねた苦闘と愛の物語。実在のタトゥー係の証言をもとに書き上げられ2018年に刊行された原書は、全世界350万部のヒット作となった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
70
「アウシュヴィッツの囚人写真家」という本のようにタトゥー係の目から見た、体感した恐怖のような本を想像していたが読み終わって本のあとがきを読んでいたらフィクションだった。前半から他のアウシュヴィッツ収容所の凄惨さがあまり出て来ないのと、ロマンス話が出てくるのでやっぱりか・・・モデルは実際にいたらしいが読後感は腑に落ちなかった。図書館本2024/04/16
こばまり
48
訳者名に惹かれ手に取る。独特な任務に就いていたとはいえ、恋人と2人きりで過ごすひとときを持てていたというから驚く。その他大勢として埋没せず、諦めず、運と機転で人生を切り開いていく。恐るべき人間力だ。2024/03/07
GM職員
23
“絶滅収容所”から生還した青年・ラリ―晩年の本人から聞き取った話と記録を元に書かれた小説(2018年刊行)。 「ここから生きて出ることが最大の抵抗」と決意し、生き延びるために同胞の腕に数字を刻み続けたラリは、運の良い収容者ではあったろう。しかし罪悪感を抱かなかった日もなかっただろう。想像を絶する三年間。信念と希望がひとを生かすということをこれほど強く感じたことはない。 しかし昨今の情勢を見るに80年という年月は、風化するには短く、憶えておくには長く、都合よく忘れたふりをするにはちょうど良い年月なのかも…。2025/12/24
紫陽花と雨
20
「関心領域」の映画を見てアウシュビッツ関係の本を読みたく手に取った。『カナダ』も出てきて映画のシーンを思い出してハッとした。アウシュビッツの入口の文字「ARBEIT MACHT FREI(働けば自由になる)」に胸糞悪くなる。またその環境下の中でのラリの機転の数々に驚かされる。「ひとりを救うことは世界を救うこと」「感謝することしかできない。この借りは返すことができない。今、ここでは返せない。つまりは永遠に返せないということだ。」命に関わる緊張感の中で育まれた友情や愛、色んな意味でドキドキしながら読んだ。2024/08/18
shun
13
2024年8冊目。家のベッドの中で読了。ナチスの手によってスロヴァキアからアウシュヴィッツに連れてこられて、被収容者の腕に数字のタトゥーを彫る係をやらされた男の物語。『アウシュヴィッツ•ビルケナウ ナチス•ドイツの強制•絶滅収容所』という恐ろしい名前をつけられて負の遺産として世界遺産に登録されている。ホロコーストの話は『夜と霧』以来だけど、何度読んでも人間が行った所業とは到底信じられない。収容所系でいうと、ラーゲリもそうだったけど。なぜそのようなことが行われたのか、なぜも何もない。ただ狂っていただけだろ。2024/03/17
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