朝日文庫<br> 月夜の森の梟

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朝日文庫
月夜の森の梟

  • ISBN:9784022651372

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内容説明

作家夫婦は病と死に向き合い、どのように過ごしたのか。残された著者は過去の記憶に苦しみ、その後を生き抜く。大反響を呼んだ朝日新聞連載のエッセイ。文庫化に際し、夫の藤田さんが亡くなってから3年10カ月、現在の心境を加筆。解説は林真理子氏。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

82
亡き夫との想い出を綴ったエッセイ。文庫化で読み返してみた。「おしどり夫婦」と言われるのが、二人とも嫌いだったそうだ。時折、夫婦喧嘩もされた由。作家夫婦ー言葉での論争は凄まじかった。「血管が切れそうなほどに腹がった」こともあったようです。言葉を操る作家同士の口論、立ち会ってみたかった。「喧嘩するほど仲が良い」とも言いますから…。最後の晩餐、テレビを見ていた夫が「ステーキを食べたい」と言う。食欲がなかった夫が…、奥さんが精魂込めて焼いた40gのステーキを完食したとのこと。息を引き取る三日前の朝だった。【合掌】2024/03/15

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59
🌟🌟🌟🌟🌟。小池真理子が長年連れ添った夫の藤田宜永を癌で亡くしたその後の日常を綴ったエッセイ。毎日の中に確かにそこにいた夫を喪うその喪失感たるや涙なしで読む事が俺には出来ない。時に荒々しくぶつかり、時に空から降り注ぐ光のように、時に彼に付き従う影のように様々な形で夫・藤田宜永への想いを表現する。俺は著者のファンなのでなんだか妬けちゃう。しかもコレ読み物としてもとても面白いのだ。この辺りが著者の恐ろしいトコロでもある。例えば「愛」とはなにか?と聞かれたら俺は何も言わずにこの本を渡す。2024/05/20

ぼっちゃん

56
夫で作家の藤田宜永さんを亡くされたことを中心に書かれた喪失エッセイ。作家同士だがお互いリスペクトされ、愛し合っておられたのがわかるエッセイで、本当に美しい文章のエッセイだった。2024/03/06

mayu

50
夫である藤田さんの死に寄せて書いたエッセイ。長い年月を共に過ごしてきた「かたわれ」の喪失。癒えることのない痛みと深い悲しみが伝わってくる。日々の暮らしの中で、夫との思い出の欠片に触れては涙を流し、軽井沢の自然や、鳥や動物の逞しく生きる力に癒やしを感じる。作家同士だから、時にはお互いの感性がぶつかり激しい喧嘩に発展することもあったようだが、何でも心を曝け出して共有できる、特別な絆で結ばれた二人だったのだろう。小池さんの時を経ても変わらぬ静かな愛も、藤田さんからの独特の表現の裏の強い愛も、切なく尊い。2025/05/13

Hong Kong @新潮部2025

32
小池さんのミステリータッチホラーの恋愛物が好きで時々読む。同業者の相方さんがいらっしゃる事も知らなかったのだが、そのご主人を亡くされた後の連載エッセイということで、積んでいた。最後のほうの“かたわれ”を読んだときはすーっと涙が出た。4年前の今頃、朝日新聞に連載されていたようですね。covid で、誰にも会わない閉塞感も思い出しました。2024/06/09

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