文春e-book<br> 中野のお父さんと五つの謎

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文春e-book
中野のお父さんと五つの謎

  • 著者名:北村薫【著】
  • 価格 ¥1,800(本体¥1,637)
  • 文藝春秋(2024/02発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163918020

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内容説明

あの文豪の、こんな謎も、お父さんが解決!

高校国語教師の父と体育会系文芸編集者の娘の“名探偵コンビ”が、
本や小説に潜む「謎」に挑む人気シリーズ第4弾。
「日常の謎」の名手であり〈本の達人〉による5編。

【収録作品】
●漱石と月
英国留学中の漱石が〈I love you〉を〈月が綺麗ですね〉と翻訳したのは
根拠のない都市伝説のようなもの。だがそのエピソードは独り歩きして、
多くの作品に影響を与えている。
いったいどうして、〈I love you〉と〈漱石〉が〈月〉に繋がるのか……。

●清張と手おくれ
『点と線』といえば大ベストセラーにしてロングセラー、
松本清張の代表作のひとつだが、
本格ミステリファンからは「失敗作」だと評判が悪い。
『点と線』にまつわる知られざるエピソードとは?

●「白波看板」と語り
鬼平シリーズ前に初めて長谷川平蔵が登場したのは短編「白波看板」。
この作品はかつて、三遊亭圓生が人情噺として口演していたという。
そこに見られる言葉の“改変”。
これは作家によるものか、あるいは噺家の独断か……。

●煙草入れと万葉集
若き日の圓生の間違いを指摘した久保田万太郎。
その間違いとは、“十二煙草入れ”についてだった。
どうやらその昔、“十二煙草入れ”というものがあったようだ。
しかしいったい、十二煙草入れとはどういうものなのか? 

●芥川と最初の本
敬愛する漱石の本に使われていた書家を、自身の初めての本『羅生門』にも
起用したいと考えていた芥川龍之介。
その思いが強く表れた装丁はどういうものだったのか。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

237
北村 薫は、新作中心に読んでいる作家です。中野のお父さんシリーズ第四弾読みました。 今回は、文豪連作短編集、お父さんの登場&謎、少な目です。オススメは、「漱石と月」&「芥川と最初の本」です。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163918020 2月は、本書で読了となります。2024/02/29

trazom

139
出版社に勤める編集者の女性が、文学・文壇にまつわる謎を解決してゆくという何ともユニークで楽しい物語。中野の実家に住むお父さん(高校の国語教師)の抜群の推理が冴えるというのがタイトルの意。漱石が「アイ・ラブ・ユー」を「月が綺麗ですね」と訳したという都市伝説はどうしてできたか/松本清張の「点と線」のトリックの稚拙さを公然と指摘したのは誰か/芥川龍之介の「羅生門」の装丁に刻まれた漱石の思い出など5つの謎の物語からなるが、資料や裏話を手繰りながら真相に迫ってゆく展開は、スリル満点でとても楽しい。ああ、面白かった!2024/04/03

紅はこべ

127
小説だけ『本の小説』シリーズのような文学エッセイに近い。美希の恋愛は停滞気味。美希のしゃべり言葉が変わったみたい。正ちゃんに似ている。海外文学が減ったのは美希が読書家ではないからか。テーマの一つが失われゆく習慣文化のこと。美希の年でハエトリ紙を知らないってあり得るか。ふ2025/03/19

KAZOO

122
北村さんのシリーズ最新作で5つの話が収められています。雑誌の編集者の女性が、仕事中にある文学などに関するちょっとした謎が提示されます。それを女性の父親が解いていくということで楽しめます。今回は漱石、松本清張、三遊亭圓生、萬葉集、芥川龍之介と私にとっては印象に残る話ばかりでした。やはり北村さんは文学についてよく研究されていますね。2025/04/14

buchipanda3

99
今回も文芸謎解きミステリ噺を存分に楽しめた。漱石、清張、池波正太郎などの謎めいた逸話の深掘りに興味がそそられ、それを愉しげに語り合う空気感もまた心地良い。今作では時代感覚と言葉の力が印象に残った。時代の移ろいに伴う常識の変化があるが、昔の本は当時の活きた感性に触れる愉しみとなる。漱石の言葉からあの映画の台詞に繋がる面白味、芥川の手紙に喜々となる心、落語の魅力を小説に盛り込む遊び心、ルビで示す落語家への敬意。どれも本と言葉が在ることの愉悦を伝えてくれる。あと著者は駄洒落だけじゃなく今のお笑いも好きそうだね。2024/02/11

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