講談社文庫<br> 福島第一原発事故の「真実」 検証編

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講談社文庫
福島第一原発事故の「真実」 検証編

  • ISBN:9784065328187

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内容説明

東日本壊滅はなぜ免れたのか? 取材期間10年、1500人以上の関係者取材で浮かび上がった衝撃的な事故の真相。
他の追随を許さない圧倒的な情報量と貴重な写真資料を収録した、第一級のノンフィクションがついに文庫化。ドキュメント編は、事故発生の経過を緊張感溢れる迫真の筆致で描く

思いも寄らない真相が次々明らかに
真相1 吉田所長の英断「海水注入」はほとんど原子炉に届かなかった
真相2 1号機で唯一残された冷却装置は40年間にわたり「封印」されてきた
真相3 原子炉を救う減圧装置には、高温高圧になると動作しにくくなる弱点があった
真相4 2号機の消防注水の失敗が皮肉にもメルトダウンの進行を遅らさせて「最悪の事態」を防いだ
真相5 巨大な津波に備えて、津波対策に着手していた原発があった

東日本壊滅が避けられたのは偶然の産物だった!?
極限の危機。核の暴走を食い止めようと、吉田所長らは、爆発や被ばくの恐怖と闘いながら決死の覚悟で現場にとどまり、知恵を絞り出して、原子炉に水を入れ続けた。幸いにして、格納容器の爆発は免れた。当時の政府のシミュレーションでは、最悪の場合、福島第一原発の半径170キロ圏内がチェルノブイリ事故の強制移住基準に達し、半径250キロ圏内が、住民が移住を希望した場合には認めるべき汚染地域になるとされた。半径250キロとは、北は岩手県盛岡市、南は横浜市に至る。東京を含む東日本3000万人が退避を強いられ、これらの地域が自然放射線レベルに戻るには、数十年かかると予測されていた。
10年にわたる取材で、この最悪シナリオが回避されたのは、消防注水の失敗や格納容器のつなぎ目の隙間から圧が抜けたりといった幾つかの偶然が重なった公算が強い。この事故では、当初考えられていた事故像が新たに発見された事実や知見によって、どんでん返しのように変わった例は枚挙に暇がない。この極限の危機において、人間は核を制御できていなかった。それが「真実」である

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

chanvesa

22
ドキュメント編との繰り返しの部分も一部あるが、2号機の地震発生から3日間RCICを中央制御室の運転員がとっさの判断で電源喪失前に起動したことが、東日本壊滅を回避した要因の一部とあったろうし、複雑に絡み合った要素で現在があるのだと強く思わせる。3号機は注水の量やタイミングによって、想定より破壊のレベルが酷かったこともそうであろう。あらゆる要素を計器でチェックしてコントロールされているシステムは、電源喪失により、特に水位計が読めなくなった時点で、事故対策されていた方々は暗闇で動くようにどれほど恐ろしかったか。2024/10/13

Akki

11
取材班がのめり込むように事故の検証に取り組んできたことが伝わってくる内容だった。重複する記述が散見され、それが読みづらさに繋がっているのは残念なところだが、優れたルポなのは間違いない。現場で事故対応に当たった技術者たちの機転と、時間と物理条件の偶然が生み出した動作とが複雑に絡み合ったことで、私は今も東日本に住めている。自然は制御できないのだと、災害は我々に伝えてくる。ならば、あまねく物質を構成する原子は自然そのものであるのだから、人間の手には負いきれないのではなかろうか。2024/08/15

ベンアル

9
ドキュメント編に続き読んだ。本店の指示を無視して1号海水注入をしたが無駄だったこと、水は燃料を冷やすと同時に水ジルコニウム反応により水素と熱を発生するリスクがあること等驚きの内容が続々と記述してある。事故から13年経っているがまだまだ1F事故は解明されておらず廃炉も終わっていない。これからも注視していこう。2024/09/01

TI

8
がっつり調べてあり内容も濃い。原発事故については水素爆発したくらいの認識であったがかなり厳しい経過であり場合によってはもっと厳しい経過をとった可能性もあったようだ。読むのに時間がかかった。2024/06/19

フンフン

6
裁判では巨大津波は予測できなかったということで無罪になったけど、予測できないことに備えるのが防災なのだ。事故前の警告は①2002年地震研究会の予測、②04年スマトラ地震津波によるインド原発の被害、③07年茨城県の津波想定、④08年にまとめられた貞観地震研究結果と4回あった。実際茨城県の東海第2原発では津波対策をとったおかげで津波に襲われても事故を免れた。巨大な防潮堤建設とか巨額を要する対策でなくとも、電源の防水対策をとるだけでも防げたのだ。2025/06/26

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