内容説明
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人気シリーズ「乙女の本棚」第37弾は、文豪・谷崎潤一郎×イラストレーター・夜汽車のコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
その悶えは苦しいと同時に甘かった。
幼いときから稚児として寝食を共にしてきた千手丸と瑠璃光丸。何をするにも一緒だった二人の運命は、成長とともにそれぞれの道へと分かれていく。
谷崎潤一郎の名作が、ノスタルジーを感じさせる美しい作品で大きな話題を呼び、本シリーズでは江戸川乱歩『人でなしの恋』、谷崎潤一郎『刺青』、坂口安吾『夜長姫と耳男』を担当するイラストレーター・夜汽車によって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
37
女人禁制の比叡山で育った二人の稚児の、煩悩に囚われ、あるいは煩悩を克服しようとする物語。が、まだ見ぬ女性という性に惑う姿は、果たして煩悩と呼べるのか。その憧れや欲望は、彼らの生い立ちと年齢を考えると、健全だとすら思える。また、アンモラルを描いてきた谷崎潤一郎にしては、違和感を覚える真っ当な結末は、しかし、それが現実のものではないとの可能性に気付くと、とたんに腑に落ち、ざわざわとして来る。にしても、夜汽車の画力は凄みすら感じさせるほどに圧倒的だ。2024/02/16
凛風(積ん読消化中)
14
比叡に預けられた二人の稚児。一人は山を下り現世の幸せを手に入れる。一人は来世の幸せを信じて山に残る。少し唐突に感じられるラストは、とても美しい。そして夜汽車のイラストもまた本当にきれい。最近は買ったり買わなかったりの乙女の本棚だったけれど、これは買って良かった。2024/04/17
ニコぴよ
12
美しいイラストに助けられて読めます。思春期で女人への煩悩にあらがう2人の稚児。瑠璃光が前世で因縁の女人であるらしき瀕死の白い鳥を抱き、吹雪の中凍える身をかえりみず一心に経を唱えるシーンは、読みながら作中のイラストより更に、幻想的な美しいイメージとして想像のスクリーンに湧き上がるのを感じた。2024/04/27
Hiro
10
女人禁制の比叡山に預けられている13歳と15歳の男子(稚児)が煩悩に悩まされ、山を降りるか、山に残って信仰を貫くか苦悶する話。葛藤の様子がまざまざと描かれ、それぞれの稚児が決断をする。短い話の中に懊悩がぎゅっと凝縮されていた。挿絵は悪くなかったけど、人物画が中心だったので、もう少し情景が伝わるものだったらよかったかなと思った。2025/08/30
takakomama
10
幼いときから女人禁制の比叡山で暮らしている二人の稚児。世の中や煩悩を知らず、さまざまな想像を巡らす二人は、純粋で無垢です。年上の稚児は、下山して煩悩に負けて戻ってきません。年上の稚児からの誘いの手紙に、年下の稚児は迷います。浮世の快楽と御仏の恵みのどちらを取るのか、知らないということは、幸福なのか不幸なのか・・・ 女人を知らなかった故に、知った時には快楽に嵌ってしまったのかもしれません。夜汽車さんの絵は、純粋で清らかな瑠璃光丸の雰囲気にマッチしていると思います。2024/03/30




