内容説明
「国民的地元のツレ」、ヒコロヒー初の小説! 平気をよそおって言えなかった言葉、感情がほとばしって言い過ぎた言葉。ときに傷つきながらも自分の気持ちに正直に生きる人たちを、あたたかな視線で切り出した共感必至の掌編18編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミナミハハ
58
2020.9~2023.3迄web サイトで連載。好きな女性芸人にて興味を持つ。18短編集。普通に何処にでもありそうな恋愛場面・状況が次から次に出てくる。“そうそう”“わかる”“何やってんの”“ばか”“イライラする”“切ない”“狡い”“言っちゃったねー”色んな感情が溢れてくる面白い。ラスト3篇は今後の彼女達を応援したいと思って読了。2024/03/13
mayu
52
わたし好きだわ。この作品。浮気を繰り返す男、許す女。『俺のこと好きでしょ』『青井とはただの友達だって何回言えば分かんの?そういうんじゃないって』まぁまぁよくあるシチュエーション。なのだが、えっ!こんなフレーズは初めてかも。そうかもしれないねと腑に落ちる。短編集なので、それぞれ一編のタイトルも良い。リズムとかヒコロヒーの言葉選びが好きだ。これからも読みたい。2024/05/13
pen
38
「お笑い」とか全然見ないのでまず本人が解らない。だから芸人さんが書いた本と言うより、初読みの作家さんという感じの恋愛短編集。別れようと思ったその瞬間。好きであることに気づいた時。実はかけがえのない日々だと思い知った後悔。恋愛の一瞬を切り取り、ちょっと刺さったりする描写もあり、各章のタイトルにも唸らされるけど、如何せん、感情移入するには年代が乖離し過ぎて他人事になってしまう。18の短編は、ちょっと飽きてしまった。でも作品のせいではなく 読み手側の問題。(笑)2024/04/10
ぐうぐう
36
ヒコロヒーのコントは、その風貌から受ける印象とは違い、まったくやさぐれていない。やさぐれるどころか、セリフのチョイス、言い回し、展開のさせ方等々、どれを取っても繊細である。彼女に小説を書かせたくなった編集者の気持ちがよく理解できる、そんなコントだ。そして重要なのは、ヒコロヒーのコントは、主にコミュニケーション不全を描いていることだ。コントにおけるコミュニケーション不全は、当然のこととして笑いを誘発する機能として発揮される。(つづく)2024/02/22
山のトンネル
14
、(読点)で文章を繋いだ文体が独特のリズムを生み出している恋愛短編。勝手な印象だけれど、中央線沿線のどこかで実際にありそうな男女のお話。居酒屋で隣の人たちが実際に会話していそうだなと思った。短編だからなのか、ご自身の文体ゆえなのか、人物描写(服装や特徴の描写)は少ないと感じた。キャラクターより台詞回しなどに注目したい。2024/02/20