WEIRD「現代人」の奇妙な心理 上 - 経済的繁栄、民主制、個人主義の起源

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WEIRD「現代人」の奇妙な心理 上 - 経済的繁栄、民主制、個人主義の起源

  • 著者名:ジョセフ・ヘンリック/今西康子
  • 価格 ¥3,410(本体¥3,100)
  • 白揚社(2024/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 930pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784826902540

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内容説明

「現代人は、歴史上存在した社会や、人類進化の途上で存在した社会の人々とは、神経学的にも心理学的にも全く異なっている――」(本文より)

市場経済や法律、科学、民主主義の起源を探ると、それら現代を特徴づける制度や概念が誕生するよりも先に、ヨーロッパの人々に現代的な心理が芽生えていたことがわかる。

従来考えられていたように、社会制度や物質的豊かさが人々の心理を変えてきたのではなく、まず人々の感じ方や考え方が変化し、それによって社会が変わり、歴史がつくられてきた。

そうして生まれたヨーロッパ人の現代的な心理は、その後、文化の伝播や国家間の競争を通じて世界中に広がり、世界のあり方を大きく変えていくことに――

ジャレド・ダイアモンドが『銃・病原菌・鉄』のテーマに組み込まなかった「人々の心理」を、歴史を動かすファクターとして捉えなおすことで新しい世界像を描き出す、知的興奮の書!

16か国で刊行の世界的ベストセラー!


:::::::::世界的著名人が絶賛!:::::::::

「社会思想書における最高傑作」
――マシュー・サイド『多様性の科学』著者

「現代世界の起源を知るうえで必読」
――ウォルター・シャイデル『暴力と不平等の人類史』著者

「世界全体で生活水準を向上させ、大規模かつグローバルな課題に対処する方法を見つけることは、今後ますます重要になってくる。人々の多様性が何に由来するのか、それがこうした問題に立ち向かう上でいかに重要であるかを、わたしたちは認識しなければならない。それらの問いの答えを知りたい方は、ぜひ本書を読んでもらいたい」
――ダロン・アセモグル『国家はなぜ衰退するのか』『自由の運命』共著者

「学術書としても啓蒙書としても偉大な一冊」
――マット・リドレー『人類とイノベーション』著者

「すべての人間は共通した心理を持つという定説をくつがえした」
――リチャード・ランガム『善と悪のパラドックス』著者

「目もくらむような偉業」
――リチャード・ニスベット『木を見る西洋人 森を見る東洋人』著者

「現在繁栄している国の人々の心理的特徴は人類社会に普遍的なものではなく、(……)中世ヨーロッパのカトリック教会がもたらした制度的変化の結果だ。本書は現代社会の起源に関する議論を大きく変えていくだろう」
――ポール・シーブライト『殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?』著者

「ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』よりもはるかに深くて野心的な本」
――ダニエル・C・デネット『心の進化を解明する』著者

「2020年で最も重要な本のひとつ」
――キャス・サンスティーン『NUDGE 実践 行動経済学』共著者

目次

はじめに

序章 あなたの脳は改変されている

神が望まれること
宗教と生理と心理の歴史

【第1部 社会と心理の進化】

第1章 WEIRDな心理

あなたは誰だろう?
本当のところ、あなたは誰なのか?
個人主義コンプレックスのマッピング
WEIRDな自己の育成
罪の意識に苛まれるが、恥は感じない
私を見て!
マシュマロは待つ者のもとに来る
違反駐車をする国連の外交官
WEIRDな人は、ひどい友人
見ず知らずの相手を信頼する
意図性へのこだわり
森を見逃す
氷山の本体

第2章 文化的動物となる

学ぶために進化した
進化していく社会
生得的な錨、核をなす制度
共同体儀式
集団間競争、そして共進化を遂げた社会心理
心の中へと向かう道筋
制度の変化と心理の適応

第3章 氏族、国家、そして、ここからそこに到達できないわけ

イラヒタはいかにして大きくなったか
規模拡大
真の個人主義者たち
社会の規模拡大は、いつ、なぜ、どのようにして起きたのか?
氏族の形成
氏族の結合
プレ近代国家への道
祖先の名前を盗む
狭き道筋
裏道を探す

第4章 神様が見ておられる、正しい行ないをなさい!

道徳を説く神と不確定な死後の生
神は何を望むのか、それはなぜか
効果のある成分
神と儀式の進化
神が歴史をつくる
地獄、自由意志、道徳的普遍主義
説得力ある殉教者と退屈な儀式
発射台

【第2部 WEIRDな人々の起源】

第5章 WEIRDな家族

伝統的家族の崩壊
スタートラインに立つ前
妨害工作
近親婚禁止の範囲拡大
なぜ禁止したのか?
リネージの終焉――養子縁組、一夫多妻婚、再婚の禁止
個人的所有と個人の遺言
カロリング朝、荘園制、ヨーロッパの結婚様式
巡り巡ってもたらされた変化

第6章 心理的差異、家族、そして教会

親族関係の緊密度と心理
個人主義的傾向、同調性、罪感情
非人格的な向社会性
普遍主義vs.内集団への忠誠
金銭、血液、駐車場
非人格的な処罰と復讐
道徳的判断における意図性
分析的思考
教会が親族関係を変え、人々の心理を変えた
水門を開く

第7章 ヨーロッパとアジア

教会の足跡
緊密な親族関係の最後のかけら
移民の子どもたち
中国およびインド国内での心理的差異
豊かな土壌

補遺A
補遺B
補遺C

索引


【下巻目次】
■第2部 WEIRDな人々の起源(承前)
第8章 WEIRDな一夫一婦婚

■第3部 新たな制度、新たな心理
第9章 商業と協力行動
第10章 競争を手なずける
第11章 市場メンタリティー

■第4部 現代世界の誕生
第12章 法、科学、宗教
第13章 離陸速度に達する
第14章 歴史のダークマター

訳者あとがき
参考文献

索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キク

60
現代世界のありかたはWestern(西洋の)Educated(教育水準の高い)Industrialized(工業化された)Rich(裕福な)Democratic(民主主義の)人々、WEIRD(ウィアード)によって方向づけられたが、WEIRDは世界では異質な存在であると説いている。主要な心理実験の被験者のうち、96%は北ヨーロッパ・北アメリカ・オーストラリア出身であり、そのうちの70%はアメリカ人だった。現代の奇妙な超個人主義者達の出現を、古代まで遡って文化人類学的に考察している。2024/03/07

たかぴ

5
個人主義観念複合体の中にも入ってるし親族ベースの思考も持ってる。カトリックではなくプロテスタント達の聖書による個人と神の繋がりを、それ以降の文字による意識改革との仮説はとても面白い。2024/03/23

marukuso

4
心理学を中心とした科学論文はその根拠となる実験被験者がWEIRDな大学生たちを対象にしてきたということであった。われわれ近代化(=西洋化)された人たちはWesternでEducatedでIndustrializedでRichでDemocraticなある意味奇妙な心理的適応を遂げた特殊な方で、文化人類学的、比較文化の視点から見ると例外なのだ。ではなぜそうなったのか。壮大な歴史を紐解くには文化進化をキーワードにヒトの血縁重視から非血縁関係の重視へなど西方教会が推し進めたMFPに行き当たる。2024/01/25

chiro

2
人類は近代において過去にないほどの速さで進化発展してきた。その弊害は今の貧困や格差、そして気候変動などによる環境破壊として顕在化しており、それが資本主義によるものとして疑義を呈されてはいるものの残念ながらあらゆる人達にとっての共通認識とはなっていない。その事とは直接的に触れていないけれどこうした状況を是とする人達にもしかしたらここで触れられているWIREDが当てはまるのかなと思い手にした著作だが、上巻を読む限り大きく外れているわけでもなさそうなので下巻に期待したい。2024/02/11

Go Extreme

1
西洋人だけが異質 偏ったサンプル・人々の心理は多様性に富む・西洋人は心理学的に独特 あなたの脳は改変されている:識字率 聖書のみ 個人主義観念複合体 宗教と生理と心理 罪の意識に苛まれる・恥は感じず 自己本位基準 普遍主義 森を見逃す 授かり効果 生得的な錨・核をなす制度 制度変化・心理適応 不確定な死後生・自由意志・道徳的普遍主義 WEIRDな人々:親族関係の親密度と心理 普遍主義vs内集団への忠誠 分析or包括的思考 教会曝露→親族関係希薄化→心理面・WEIRD 親族ベース制度に由来する心理的調整2024/02/12

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