内容説明
お骨でできた仏像、人とのつながりの希薄さが生む孤独死の問題、ハイテクを組み合わせた最新葬祭業界の実情……。作家、ときどき写真家がカメラを抱えて迷い込んだ“エンディングノート”をめぐる17の旅。「死とその周辺」がテーマの取材は、かつて経験した九死に一生の出来事、異国で出合った変わった葬送、鬼籍に入った友人たちの思い出などと重なり、やがて真剣に「自分の仕舞い方」と向き合うことになる。そしてシーナが見出した新たな命の風景とは? 巻末に朋友、北上次郎の死についての想いを書いた「さらば友よ~文庫版のためのあとがき」を収録。
目次
「死」を知る生物
念願のお骨佛をおがみに
家のいのち
遺骸と地獄好き
四万十川での死
孤立死はいやだ
身のまわりの「死」のことなど
多死社会を迎えうつ葬祭業界
遺言状と死にそうになった話
葬列の記憶
鳥葬へのあこがれ
東京のイスラム教モスクに行く
墓のない国
ハイテク納骨堂の周辺
骨を喰らう。骨を撒く
遺言未満
八丈島の海へ~あとがきにかえて
さらば友よ~文庫版のためのあとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
時代
13
私事ではあるが、先月末に父親が逝った。突然にあっさりと。まだうまく受け入れられていない。椎名さんと同じ年代だった。人はいつかは死ぬんだな。ここに書かれていた葬儀業界の話や、自然散骨の話など、ある意味参考になりました。椎名さんはまだまだ長生きしてくださいね。2023/12/19
フーミン
9
椎名さんの本ずっと読み続けているうちにいつのまにかこんなエッセイを書く日が来たんだと思うと感慨深いものがある。でもヤンチャぶりも備えていて読む人の心を打つ。あったかい…2024/02/16
MICKE
6
久しぶりの椎名誠、シリアスなんだけれども、文章が温かく身に沁みてくる。2024/02/05
オガヘー
2
「死とその周辺」がテーマで、世界には様々な葬送の方法があることや、お骨佛の話が興味深かった。個人的には、お墓って必要なのだろうか?と常々感じていて、海洋散骨とかいいよなーと漠然と思っていたので、具体的な事例の話を知れたのも良かった。まだ30代なので、そんなことは当面先の話であって欲しいが…笑2023/12/01
にやり2世
1
でかい見出しが目に入るとドキッとした。死に関するものばかりだからだ。自分は海に散骨されたいと考えてたから、その取材の話はすごく真剣に読んだ。あとがきの話はぶわっと泣いた。2023/12/27