内容説明
著名な科学実験やベストセラーの間違いを紹介しながら、科学における不正・怠慢・バイアス・誇張が生じるしくみを多数の実例とともに解説。単なる科学批判ではなく、科学の原則に沿って軌道修正することを提唱する。既存の本で知ったウンチクを得意げに語る人に読ませたい、真実の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
143
「科学は信用できない」とコロナワクチン接種を拒んだ親戚知人は何人もいるが、彼らの主張も当然と思える科学者の失敗や誇張、詐欺や偽造など悪行の数々が列挙されていく。純粋なミスによる論文撤回はまだしも、名声や金儲け目的のデータ改ざんや画像操作は日常茶飯という。思うような結果が出ないと中途で分析方法を変えたり、基本データの正確性を確認しないなど研究者としての倫理のない学者も珍しくない。そんな不正にノーベル賞選考機関も加担していたとなると、何をかいわんやだ。科学の信頼を自ら突き崩す科学者は何のために生きているのか。2024/07/06
ATS
24
「それってあなたの感想ですよね?」のブームで根拠をもとに語ることの重要性が高まりつつあるがその根拠のひとつである論文の脆弱性を指摘する本書。「論文=科学的に証明された知見」という概念の人もいるかもしれないが大間違いで論文はスタートに過ぎないし専門家からすれば週刊誌レベルでパラパラ読むようなもの(エポックメイキングになるようなものは除くとして)。p値ハッキングや多重検定など有名な不正を事例を出しつつ紹介しているが初学者には難解だろうと思うところがしばしば。しかしリテラシーのために読んでおいて損はない。2024/03/08
Yoshi
24
科学におけるさまざまな課題を記した本。科学は「間違ってはいけない」ということではないと思う。不正はもちろん駄目だが、元々個人的な考え(哲学)を検証可能とするための方法論として発展してきたわけだから。科学が純粋な知の喜びから、資本主義に取り込まれてしまっているという話だと思う。商業雑誌は、退屈な記事では売れないわけで、売れるためには、「ほんまでっか」という記事を載せることになる。「売上」追求する企業と構造はなんら違いはない。科学に何を期待するかという問題でもある。2024/02/03
yutaro13
20
「科学的」という言葉の信頼性を問い直す一冊。再現性の低さや出版バイアス、不正が構造的に生じている点が具体例で示される。小保方事件のような極端な例だけでなく、日常的な「都合のよい結果の選別」がより深刻だと感じた。栄養学や心理学の有名研究ですら後年に修正される例があり、地中海食のRCTも例外ではない。「エビデンスあり」を鵜呑みにせず距離を取る必要性を再認識。2026/04/13
あつお
20
科学の信頼性を揺るがす問題を検証する本。 本書は、①科学界の構造的問題、②研究の誤り、③信頼性を回復する方法を解説する。① 研究者は論文の発表数で評価され、競争が激化することで不正や誇張が生まれる。査読制度の限界や企業資金の影響も問題を深刻化させる。② データの捏造や再現性の欠如、バイアスが科学の信頼を損なっている。③ 透明性のある研究環境を作るため、データの公開や登録試験の導入が求められる。科学の在り方を再考させる重要な一冊である。2025/01/07




