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内容説明
そもそも「友だち」とはどんな人間関係を指すのか? 現代社会を生きる私たちの友人関係は、あらかじめ「友だち」という枠を当てはめ、そこに合うように関係の中身を調整することで成り立っている。古代ギリシアの時代から、歴史的に「友だち」がいかに変質してきたかを示し、それでもなお現代に成立しうる友情について考える。SNSやリモートが当たり前になった現代人のためのまったく新しい友情論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるき
16
「友達」というフレーズに一種の恐怖を感じるのは私だけ?「みんな仲良く」を疑うのが大人への第一歩だと思うのですが。複数のコミュニティに緩く繋がりつつ、相性の悪い相手とは社会的距離を保つ。これをすると揉め事が減る気がするのですが、どうかな?2023/10/16
テツ
15
「友情とは本来、友人などなくても生きていける人間同士の間でなければ結ばれないシロモノなのではないか」と何かで読んだ記憶がある。友人を作ることがそもそもの目的なのではなく、本来は自分自身の好む趣味や活動の結果、自然と構築される他人とのコミュニティの中で自然に強めに結ばれた特定の相手を友人と呼ぶのだろうに、そこの本末転倒さが息苦しい友人関係の原因な気がするな。違和感があるのならそれは自縄自縛以外の何物でもない。SNSでグローバルに多数の人間と繋がれるからこそ「友人」の在り方についてみんな悩んでしまうんだろう。2022/10/20
碧海いお
10
最近の友達の付き合い方について書かれているという噂を聞いて読みました。学生だと学校の話ができる人、趣味の話ができる人と友達を使い分けることやマッチングアプリを使うことを知ってましたけど。学校で知り合って失恋をすると人間関係がギスギスになりますが、共通の友人がいないと詐欺師みたいな音信不通を狙う人が多くてろくな印象がなかったです。(年齢にもよる?)昔、知人なんて睡眠薬を飲まされましたし。 コスパを重視だと雑談自体が無駄では?と思ったことがありましたが、本当にそうなんですね…。2023/09/28
nnnともろー
6
友人論、友情論の現在地。繋がりがないと不安を感じながら、一人になると安心する。常時接続社会の生きづらさ。2022/11/18
in medio tutissimus ibis.
4
大道廃れて仁義あり。社会の変化とコミュニティに所属する必要が薄れ、通信技術の進歩によって同行の死を見つけることが容易くなった今日、我々は必要に迫られてではなくそれ自体を必要として友誼を結び、結果としてではなく形から友人となる。その関係性の脆弱さ故に、今日の人間関係はそれを結ぶことも壊すことも臆病になっているが、それならその気を重くする友だちという言葉から離れてしまえばいい。交流を目的としないで、とにかく人のなかに入っていく事こそが肝要である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。2024/06/12