内容説明
ある日“女帝”と恐れられる美人上司から《男女の関係》を求められた実沢。紆余曲折あったものの今では自然に行為ができるようになった。しかし、ある日実沢が行為を拒み、二人の間に波乱の嵐が――?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芳樹
34
【BW】『好きになったらおしまい』と知っていても、この胸に抱える思いはもう隠せない。クリスマスを控えた運命の日、実沢は衝動的に自分の想いを桃生さんに伝えてしまって…という第3巻。面倒くさい大人になっても、やはり本音でぶつかり合う以外に互いの気持ちを理解できることはない。それを思い知らされました。予定調和の王道展開ですが、身体だけの関係から始まったラブコメの終着点としては、これ以上ないというくらいのハッピーエンドで何よりです。これまでに無い尖った設定ですが、実に楽しい”大人の”ラブコメでした。2024/02/13
よっち
33
慣れたやり取りで桃生の部屋に呼ばれ、いつものようにペアリング―恋人じゃない二人のいつもの日常。気付いてしまった本心をだんだん隠しきれなくなってゆく第3弾。桃生への恋を自覚した実沢と、それに気づかないフリをする桃生。矛盾した行動に気付きつつも、もう少しだけもう少しだけと結論を先延ばしにする日々を送った二人の結末。桃生の何とも複雑な事情も掘り下げられる中で、素直になれないがゆえにすれ違うもどかしさが何とも切なかったですけど、ちゃんと二人で向き合えて良かったです。実沢の同期・鹿又の存在もなかなか効いていました。2024/02/01
わたー
18
★★★★★完結。面白かった。ヒロインへの恋心を隠せていると思い込む主人公と、主人公の抱いている恋心に勘付いているヒロイン。そんな歪な状態が長く続くわけもなく、ふとした瞬間に主人公の想いが溢れてしまう…ところからの、肉体関係だけだった二人が真の意味でパートナーとなる展開が描かれていた。確かに、伏線をさらっと回収していたりとやや駆け足気味ではあったものの、普通じゃない関係から始まった二人の物語の結末としてはこれ以上ないモノだったと思う。2024/02/12
真白優樹
13
春彦と結子、それぞれの思いを見ないふりして引き延ばす間に来たクリスマスに破局が待っている今巻。―――細かい理屈の鎧を抜いて、向き合うべきは素直な思い。 大人だからこそ抱える思いがあって、面倒なものもあって。だけど大切なのは好きと言う事。そんな当たり前の事に向き合う巻であり、きちんと本音で向き合って当たり前の関係になっていく、ありふれた尊さだからこそ嬉しい巻である。当たり前の恋人、そして夫婦として。二人の間に一人が増えて。その先に続いていく未来をきっと二人で乗り越えていくのだ。 うん、とても面白かった。2024/02/05
椎名
8
綺麗に完結。紆余曲折あったものの、王道に、これ以上ないまとめ方でしょう。しかし真実のセックスというパワーワードには笑ってしまった。理由付けのなくなった、ただ肌を重ねたいから重ねるという恥ずかしさは異様にリアルに感じられる生々しさで、それも含めてこの作品ならではで良かった。2024/02/12