内容説明
文化人類学者のベトナム・ラオス紀行。
「ラオスに連れて行ってもらえませんか?」
友人S氏に頼まれて、文化人類学者はベトナム・ラオス800キロの旅に出た。
「はじまり」の地をめぐって見えてきた、民族や“くに”の「つながり」とは?
少数民族たちが独自に築いたもの、国の危機につくり出された英雄や神話、外部者たちとの交流により新たに根づいた文化などを、二国の歴史とともにたどる。
黒タイの魔女、叩き上げのアウトサイダー研究者、現地の文化プロデューサー……
国家も民族もない、神話が現実の一部だった時代、そこに生きた懐かしき人々の記憶をたどって。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gorgeanalogue
11
歴史の中で時に改変され捏造される民族のさまざまな「はじまり」と「つながり」を人類学者がベトナム~ラオスの横断小旅行の中で過去と近過去、そしてコロナ禍とSNSの現在を錯綜させながら語る。最後で明かされるネタバラシにも似て、「神話」はアナクロニ―の中で太古の人物を親密な友人のように現在の時制で語る「語り口」のことなのだな。そもそもなぜ著者が黒タイに魅せられたのか、とか神話の媒体でもあったはずのモーラムとか、ほかにも語ってほしいこともあったが、ルアン・パバン旅行が楽しみになってきた。本文用紙の質感がいい雰囲気。2024/05/09
takao
3
ふむ2024/05/07
Myrmidon
2
うむむ、それなりに面白いが、自分がもっとインドシナ地域に明るければもっと面白かっただろう的な本。文化人類学、東南アジア民族学を研究する筆者が、ベトナム・ハノイからラオス・ルアンナムターへの10日間の旅路を紹介、各所でその地の現在と過去、神話伝承と歴史的経緯などが語られるが、巨視的な話と筆者の個人的体験が代わる代わる述べられ、見通しの良い紹介文というよりも「ぶらり思い出紀行」といった風情。勿論、この種のディープな文化人類学は筆者の個人的体験を捨象すると嘘になるので、見通しが悪いことにも意味はあるのだろうが。2023/12/19
Arihiro Minoo
0
紀行文のようでありながら、著者(樫永さん)のこれまでのフィールドワークの成果が所々に散りばめられていて、とてもためになった。自分も著者に連れられてベトナムからラオスに陸路でゆっくり旅をしながら、その土地の話を教えてもらっている気分になる。 この地域は、様々な少数民族が暮らしているのだが、それぞれの「くに」のはじまりの神話がどういったものなのかを、さらっと学べるところがよい。2024/03/19
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