知られざる海上保安庁 - 安全保障最前線 -

個数:1
紙書籍版価格
¥1,870
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

知られざる海上保安庁 - 安全保障最前線 -

  • 著者名:元海上保安庁長官奥島高弘【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • ワニブックス(2024/01発売)
  • 初夏を満喫!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン (~5/18)
  • ポイント 425pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784847073847

ファイル: /

内容説明

海上保安庁という組織の実態は正直なところ、あまり世間に知られていないと思います。
確かに『海猿』『DCU』などの漫画、映画、ドラマ等の人気作品の影響で知名度が上がり、海難救助の仕事をしている組織だということは理解してもらえていると思います。
また、いわゆる尖閣問題をめぐる新聞・テレビの報道等で領海警備の仕事をしている組織だということも多くの国民に知ってもらえていると思います。
しかし、海上保安庁が、実際にどれくらいの予算で、どれくらいの人員がいて、どれくらいの守備範囲の仕事をしているのか、有事の際にはどのような対応をするのか、といった運用の実態についてはほとんど知られていません。
特に最後に挙げた「有事の際にはどのような対応をするのか」については、さまざまな“誤解”をもとにした議論が散見されます。
しかも、安全保障に関心の高い人たちほどそうした“誤解”をしている傾向があるように思われます。
日本は島国です。
ご存じの通り、日本は、尖閣諸島における中国の領海侵入の問題や、韓国との竹島をめぐる問題、ロシアとの北方領土問題など、さまざまな問題を抱えています。我が国を取り巻く安全保障環境は年々厳しいものとなっており、日本の周辺海域は常に紛争の火種を抱えているといっても過言ではありません。
その最前線で対応しているのが海上保安庁です。
海上保安庁が“誤解”されたままでは、日本の安全保障をめぐる議論そのものが誤った方向に進んでしまうおそれがあります。
当然のことながら、それは日本の国益を考えた場合プラスになりません。
海上保安庁にまつわるさまざまな誤解を解いた上で、組織運営の実態を知ってもらい、地に足の着いた国家安全保障の議論をしてもらいたい――それが本書を執筆した大きな動機のひとつです。(はじめにより)


【目次】
第一章 国民みんなに知ってほしい海保の実態
海保の非軍事性を明確に規定する庁法25条は不要?/庁法25条があるのはソ連の陰謀?/有事の際に「軍事目標」にならないために 他

第二章 海保を軍事機関にするべきか
領海警備を非軍事機関が担っているのは日本だけ?/東南アジアに多い海上保安庁モデルのコーストガード/法執行機関の「緩衝機能」は、いまや世界の共通認識 他

第三章 海保と自衛隊の連携・協力
海上保安庁の軍事機関化は“効率的”ではない/海保と海自で船舶燃料が異なるのは致命傷?/護衛艦を巡視船に転用しないと海警に対抗できない?/連携で重要なのは相手の「階級」よりも「役職」 他

第四章 海上保安分野で世界をリードする海保
「自由で開かれたインド太平洋」を具現化してきた海保/一省庁が全世界から組織のトップを集めて国際会議を開催/アジア諸国との“友情”を深めてきたキャパシティ・ビルディング 他

第五章 海保は“絶対”に負けられない
海上保安庁の“敗北”は紛争につながる/中国は「与しやすい相手」には強気に出る/海上保安庁に米軍がアプローチ/海警船を実力行使で尖閣から追い払うとどうなる? 他

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

to boy

23
知っているようで知らない海上保安庁の役割をわかりやすく書かれていて多くの人に読んで欲しい一冊。自衛隊と異なり軍事組織では無いという所が一番の特徴。武器も相手を破壊する大型のものでなく、相手を捕獲するための最小限のもので充分。その行動原理は法に従い平和的に行動し紛争の一歩手前で解決する事との事。近年の尖閣諸島での専制国家からの脅威に果敢に立ち向かう海保の活動を応援したくなります。2024/03/07

くものすけ

13
海上自衛隊と海上保安庁の違いが良く分かった。また、尖閣列島での中国海警局(海警)との軋轢は海上保安庁だからこそ出来る役割があることを改めて認識させられた。自衛隊は「国の防衛」が役割で、海保は「公共の秩序と維持」そして重視するのは法とルールの支配…憲法に戦争放棄を謳っている日本にとっては海保の様な組織こそ存在価値が大きいのではないかと感じた。構成員も1.5万人、年間予算は2500億円前後と少ない。しかも守っている海域はとてつもなく広く周囲は独裁国家の中国、北朝鮮、ロシア…もうちょっと補強した方が良いのでは!2025/01/25

keitakenny

8
大半、随所に出てくる「法執行機関」「海上保安庁法25条 非軍隊」に、今まで腹に据えかねていた外野の声への嫌悪を感じ取れた 海の警察、海の消防、海の救急隊、海の監視官と漠然と捉えていた 間近に迫った台湾有事はもちろん、竹島、北方四島、北朝鮮密輸などなど全て最前線で対処している事に感謝と尊敬しかない 2024/02/11

しょうじ

7
日本における海上保安庁とはどのような組織であると定義され、世界に知らしめようとしているのか。海上保安庁法25条に軍事組織ではないと明記し活動する。海洋部での警察活動をする組織だ。違法な活動する者に対し、領海からの退去、行動の制止、逮捕などするための火力や武器は有するが敵を殲滅したり排除するための武力は有さず、海上自衛隊という軍事組織とは一線を画す。過去は海難救助の他には違法操業や密輸の取締まりが主だった組織である。近隣諸国の軍事力向上により力による現状変更が現実味を帯びてしまい海上保安庁も強化されたワケだ2024/03/26

Nori

7
海保は絶対に負けられないという言葉に強く表されているが、海上保安庁が「法執行機関」であることの矜持を強く感じた。気合と根性で乗り切れなどは、もうあってはならない。2024/02/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21727118
  • ご注意事項

最近チェックした商品