内容説明
希代の絵師・葛飾北斎とその娘・お栄。
数十年にわたる奇妙な親子の絆。
そして蔦重や写楽、歌麿らとの
交わりのなかで浮かび上がる、驚愕の真実とは?
25年大河ドラマ主人公・蔦屋重三郎も登場の傑作時代小説!
あんたは私で私はあんた――
絵師・葛飾北斎は後妻の連れ子であるお栄(後の葛飾応為)と初めて出会ったとき、
手本と寸分たがわぬ線で蛇の絵を見事に描く姿に驚く。
お栄が酒癖の悪い実の父親から虐待を受けていたことを告白すると、
北斎は一生をかけてお栄を守ると誓うが…
合わせ鏡のような北斎とお栄の奇妙な親子関係と版元の蔦屋重三郎、東洲斎写楽、喜多川歌麿、渓斎英泉ら絵師との交わりのなかで、
ある驚愕の真実が浮かび上がる――綿密な時代考証と斬新な着想で描く傑作長編小説!
「「狂」を生きる北斎の知られざる豊かなエピソードを活写した傑作」
菊池仁(文芸評論家)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
129
葛飾北斎とお栄。その生きざま・・車浮代が描くその世界。だが今一つ熱が届かないのは読み手の私問題か(汗)普通に読んじゃった感。それはそれで良いのか?お栄との関わりに人間・北斎を感じる。そして、お栄・・頑張ったよ。この最期も有りだと思う。2024/02/24
みっちゃん
126
アニメ風でちょっとほっこりするような表紙だけど、内容はなかなかに生々しい人間模様。北斎の娘、お栄を実子ではなく後妻の連れ子という設定にしたのはなるほど、こういう理由だったのかと頷きながら読んだ。しかしラストはこれしかなかったのだろうか。これが作者の思い描く葛飾応為、という人物の生き様ということなのだろうね。2024/05/07
ぶち
84
読友さんのレビューで読みたくなった本です。葛飾北斎が出世魚のように名前を変える度に、絵の技法が豊かになって成長していく様が面白いです。その技法習得の過程には東洲斎写楽、喜多川歌麿、渓斎英泉らの絵師や版元の蔦屋重三郎たちとの交流があったことにも興味がそそられます。そして、北斎とその娘・応為との特異な親子関係に焦点を当てている点がなんといっても面白く、二人の生き様に胸が熱くなっての一気読みでした。でも、あのようなラストシーンが待っていようとは…。涙が出てしまいました。改めて北斎と応為の絵を観たくなりました。2024/04/13
mike
70
北斎と娘のお栄の物語。お栄の出自の秘密については、かなり脚色されていてビックリしたが一つの読み物としてはとても面白くできていると思った。北斎とお栄。父娘であり、師弟であり、もしかしたら夫婦の様な絆で結ばれていたのかもしれない。数々の作品を生み出した北斎の最後の名前は『画狂老人卍』。これこそ天才絵師、北斎を表す最強のネーミングだと思う。2024/05/24
フキノトウ
13
葛飾北斎と娘お栄。どうもお話に入り込めなかった。時代ものに挟まれる性描写は苦手。紗久楽さわさんの表紙が素敵。2024/02/26
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